不理解理解

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#butai
『うみねこのなく頃に~Stage of the golden Witch~』見た!
配信で見た。
原作は去年か一昨年くらいにEP8までプレイ済み。やりたいことは好みだけど、構造に関して一部致命的にそりが合わない箇所があるくらいの心持。
コミカライズはEP4まで読んでいて脱落。買っていた当時にしては単行本1冊の価格が高かったのとなんかどんどん新刊出てくるので財布が回らなくて買うのやめた記憶がある。
それ以外のスピンオフとかメディアミックスとかには触れていない。

以下ネタバレ感想。

■総括
EP1をなぞるという感じなので特にシナリオとしての追加要素はない。
戦人がもう一度事件を振り返るために時間を戻すというのを台詞に組み込んだのは個人的に好みだった。舞台刀剣乱舞の慈伝を面白がる人間なので。
ついでにこの宣言がEP1の8回の公演を繰り返すに掛かっても、続編のエピソードの匂わせに掛かってもいいようになっているのがいいな~と思った。
あとエンドロールや場面転換で登場人物が人形みたいに釣られる表現も、物語を再現するための人形として表現しているんだと思うのでそこらへんも舞台でやる意味を持たせていて良かった。そもそもうみねこ自体が誰かの書いたボトルメールを読んだ誰かの書いた二次創作の再話だと思っているので、姿形だけが似ている(らしい)何者かに演じさせている要素を強めてくれるのは超好み。
真里亜の子の演技が良い良い良い!見た目では留弗夫と郷田さんの2人が特に見た目がしっくり来ていて好き。

■概要
六軒島に集まった18人の右代宮家関係者の身にクローズドサークル・見立て・密室殺人などが起きるミステリー作品。
1年に1度身内で集まる親族会議のために絶海の孤島六軒島に集まった右代宮の家系の一族。
六軒島には魔女がいるという伝説と、10tの黄金を隠す碑文が存在する。当主右代宮金蔵の親族たちには余命僅かとなった彼の遺産を欲する各々の事情もあってか、異様な雰囲気が満ちている。
台風の接近により島の外に出られなくなった中、碑文の見立て殺人が行われる。その殺人内容が、大量殺人や密室など、人間がやったとは思えない物だった。
最年少の参加者である右代宮真里亜はこの事件の犯人は、ベアトリーチェという魔女であるという。主人公である右代宮戦人は自分のなかの誰かが犯人だとは信じたくはないが、絶対に魔法はありえないと語る。
見立て殺人が完遂された時、生き残った人々の前にベアトリーチェが現れ、「碑文の通り黄金卿へ連れて行く」と宣言する。
舞台の最後、六軒島で起きた殺人事件では誰一人生き残らなかったこと、右代宮真里亜の署名がされたボトルメールに書かれた物語が舞台の内容であったことが明かされて終幕。

■演出
壁に白い文字でキャラクター名とか台詞とか碑文の内容が表示される演出がかっこいいね~!
ノベルゲームを元にしているのだし、もともとがボトルメールの内容を元に再構築した内容だというのを踏まえているので文字が出てくる演出カッコよくて好き。
回転舞台でもないのに、舞台セットを入れ替えるので場所移動を表現しているのもかっこよかった~。大きい机でみんなで料理を食べる奴も好き。机小さッとは思いましたが……。
あとみんなの衣装が可愛くて良い。もともとのデザインも可愛かったけど、立体になるとまた良いね~。
そしてベアトリーチェの顔を映さない演出も好き。EP1で終わる場合はベアトリーチェを幻想の存在として終わらせることが出来るし、続編が出せる時はEP1では伏せられたベアトリーチェの真の姿が!と引きにもなるので。
総括にも書いたけど、全体的に全員人形的な動きをするシーンが多くて物語を再現するための人形として表現しているんだと思うのでそこらへんも舞台でやる意味を持たせていて良かった。
まだ出てきてないけど、光の演出で真里亜と戦人を赤と青のスポットライトで分けるシーンも格好良かった~。演出面に関しては原作好きなんだろうな~というところが多々あって良い舞台だな~と思いました。

■シナリオ
EP1自体が出題編なのでシナリオは事件の概要説明でしかないんだけど、しおれた薔薇になにをしたのか画面では見えにくかったり、台詞もマイクの性能の問題か聞き取りにくかったり、事件現場で何があったのか全体的にわかりにくかったり、魔法描写はまぁやっぱり表現が難しかったりするので、原作の情報を持っているの前提じゃないと追いにくい舞台ではあるなぁと思いました。初見で行った場合、全然謎解きせずに帰されるのも「何!?!??!」となりそうでもある。
EPがあとになればなるほど魔法描写も登場人数も増えるので、舞台化は難しそうではあるよな……。
原作既プレイにはおすすめだけど、初見だとかなりざっくりな把握になるし消化不良になるような気がするがそれはEP1の性質(解決編がない)せいでもあるので一概に舞台のせいとも言い切れないのがなんとも……。
うみねこを面白いとは思っているが人に勧めるかというと私は勧めないし、じゃあ舞台単体として完成しているかというとシナリオの関係上尻切れトンボだしというのもあるので、それを踏まえるとやっぱり原作が好きな人向けという体感です。
うみねこ興味あるけどどこから入ればいいかな~って人でも、一回ゲームやってから見た方が良いと思うし……。
ここまで

感想

#butai
ダブル 』見た
原作を読んでいて、ドラマは未視聴。
舞台漫画は舞台で見たいぜ~って思っていたので舞台になって良かった。
本当は観劇予定だったけど、なんやかんやあって配信で見ることになった。
今回から400文字程度に概要を追加することにした。自分がどういう作品と受け取ったかの確認作業。オチまで書くのでネタバレ見たくない人はスキップ推奨。

以下ネタバレ感想

■総括
舞台用にかなりストーリーの構成を変えていて、多分これ舞台好きな人には滅茶苦茶響く構成になってるんだろうな~!というのを舞台あんまり見ない人間視点で勝手に想像する雰囲気だった。
友仁さんのイメージってこんななんだ!?というのはあったけど、そのおかげで宝田さんと友仁さんの湿度が異様に高くなっていて方向性としては合っているんだな……と勝手に圧されました。

■概要
売り出し中憑依型の俳優宝田タカラ君と、タカラ君が憧れる同じ劇団所属の売れない俳優鴨島友仁の2人の関係性を中心に描く舞台。
それぞれがどのように舞台や自分、お互いに向き合うのかというのを、タカラ君の家のセットのみを使って時系列のみ変更して構成されている。途中に作中作として各キャラクターが別のキャラクターを演じる場面があり、それがより舞台舞台としての構成を強調している。
自分の気持ちは依存なのか恋愛感情なのか、舞台が好きなのか相手が好きなのか、そもそもお互いの関係に名前を付ける必要があるのかというのをタカラ君の内面描写を中心に展開していく。
最終的にはタカラ君は自分の感情を恋と定めてそれを友仁に伝えようとするが、友仁はそれを言葉にすること自体を否定して、それでもなお2人でいるという形で終劇。

■友仁とタカラの関係性について
湿度が高い!!!!!!!!距離が近い!!!!!頭を撫でるシーンあったっけ!?!?お姫様抱っこのシーンはあったっけ!?!??!
いや原作も湿度は高いし距離は近いんだけど、実際にあの距離感を見るとギョッとするなぁというのが分かりました。
タカラの演劇スイッチが入る直前には必ず友仁さんがタカラに暗示をかけるように超至近距離で見つめ合ったり背後から頬を撫ぜるシーンがあったりするんだけど、(これは私が原作の読みが温いせいだとは思うんですが)舞台の友仁さんの脆弱性があまりにも高すぎてそのふるまいでそれを見せられると、湿度、高いッッとなる。むしろ舞台版はこの二人の関係性の湿度の高さをやりたい話なので良いと思います。ただびっくりしたという私の気持ちはかき残しておきたい。
私は友仁のことを社交性がある『こころ』のKみたいな人だと勝手に思っていたんだけど、舞台版だとどっちかっていうと先生に近いよな。
これは完全に私の感性によるものなので特に共感してもらえるとは思っていない感覚です。
この湿度感で繰り出される「『男の誠実に踏みつけにされるおんなの気持ち』が分かるか?」はだいぶ受け取るものが違って面白かった。舞台でもこのシーンをフックにするよな~!
私は漫画の方だと恋愛的好意を言葉にする怠慢に裏切られたという悲しみもあるが、どっちかというと憧れや尊敬と言ったタカラからの感情を性愛に丸め込まれた怒りや傷つけられたプライドや自分の気持ちを吐露するための道具として誠実さを利用して楽になろうとするタカラへの不誠実さへの咎め・やりきれなさを主軸に受け取ったんだけど、舞台版はタカラに尊敬されていることがよりどころになっていた自分のありどころを奪わないでほしいという悲痛さの方がメインに感じて面白かった。
それぞれの感情は両立可能だし、どれもあったと思うのでようはバランスが変わったように感じるな~というだけです。面白いね。
私は関係性に本人たちが名前を付けたくないのならつけなくてもいいじゃん派なんだけど、ダブルの2人に関してはつけたくないと言っているのは友仁さんでタカラはどっちかというと友仁さんに従っているだけでそういう名前を付けて何かしらの権利を獲得できるならしたいというスタンスだと思っているので、一回よく話し合ってくれねぇ~かな!とは思う。そもそも恋愛感情を直撃で性欲に接続する+それによって憧れや尊敬が曇るという感覚が割とこう……感性がすごい偏っているのでそこらへん、どうなんですか!?私はタカラ君のこと全然分かんないけど、友仁さんがそういうってことはタカラさんの中でもそういうことになっているということなんでしょうか!?
その際に、友仁さんが嫌だと言っているんだから優先されるべきは友仁さん側だと思うんだけど、友仁さんの嫌だと思っている箇所についての解体をしないことには建設的な話には進まないだろうなと思う。まぁそれを求める場合、タカラ君の感情の解体もしないといけないけどどっちも全然できていないので、別にそれでいいと二人が言っているならなんでもいいんですけど。
舞台版は最終的にそれでいいという方向で一旦「オチを付けた気になって」終わる話なので、これ以降はわかりませんという余白も残っているんだな~。
ついでにタカラに関しては、原作の方でもいまいちどういう人なのか全然わかっていないので、友仁よりフラットに見れた気がしなくもない。
そのうえでマキちゃんとの件を見て「こ、こいつ……」と思いました。自我を外部に委託するな……。

■作中作
舞台役者なので、作中で実際に演技してみよう!と言って演技をしているキャラクターを演じるという入れ子構造が発生するのは見ていてとても楽しいね!
ちょっと私は人の演技や表情の機微にうというので、演技の切り替わりなどの技術的なところは分からないが、タカラ君はスイッチが入ると全く別人のようになるという演出が入っていることは分かったので良かったです。
特に「板の上では全部違う人間になって、そういう人たちの気持ちをちょっとでも分かったような気持ちになれる」(意訳)という話をやってくれるので、そういうキャラクターごとの演技が切り替わる演出を入れてくれるのは説得力にもなって大変嬉しかったです。
それはそれとしてプロジェクションマッピングで異様な雰囲気の背景つけるとか、今まで演じていたキャラクターを映すのはちょっと……ズル……!というか本人の演技で出来なかったか!?と思わなくもない。
何にせよ舞台でやることに意味を持たせた舞台になっていたように感じるので、観ていて楽しかったです。
ここまで

感想

#butai
舞台刀剣乱舞 禺伝 矛盾源氏物語 見た!
千秋楽ライブビューイングでした!
以下感想!

概要としては物語を愛するものを肯定することに全力を注いだ物語で良かった~!
それはそれとして物語を付与することの暴力性の話からいい加減逃げるなとは思うぜ!

■物語の消費と創作賛歌
全体を通して、あの世界は紫式部と彼女の源氏物語を愛した人間の起こした騒動であり、その人物の創作したキャラクターたちの感情に意味はあるのか?という疑問を提示したうえでそこに意味はあるし感情はあるし、そこに確かに愛はあるんだ!というのをやる話でした。
源氏物語を好きでいた人や物語を見る人達を肯定するお話になっていてよかったな~と思いました。
加えて、最後にこの舞台が物語だったとして、それがどんなに過酷な物でもそれでもこの世界を愛するし生きていくと宣言することで、物語に生きる彼らの生きざまやそれを愛する人達を含めて全部肯定する話だったので、やりたいことが明確で良かったです。

■構造の話
構造が5重になっていてクソ複雑で笑いました。
①オタク君の考えた最強の源氏物語本編
②オタク君の考えた最強の源氏物語行間
③オタク君の考えた最強の紫式部世界
④作中現実世界
⑤刀剣乱舞という物語世界
欲張りセット?真田十勇士の辺りからこれいつかメタ構造やるだろうな~って思っていたけど、ここまでやってくるとすごすぎて笑っちゃうね。

源氏物語のキャラクターに勝手に意志を付与して物語展開するの、刀ステの最近の話的にどうなんだろうな~と思っていたので、実際は全部オタク君の二次創作でした!という構造で出して来たのは好きです。
雲隠の結論を知っているのは紫式部だけで、お前ではないと言ってくれたのもマジでちゃんとしていて偉いと思う。
ただそれだったら女御の台詞に関しても「お前の受け取った物語中の女御がそう思う気持ちは否定しないが、原作の物語で彼女たちがそう思っているかどうかもわからない」くらいまでのライン引いてほしかった。
紫式部の「物語を作った罪を償う!」とか女御たちの「光源氏を恨んでいるが、それ以上に愛している!」とかも全部全部オタク君の妄想!原作とは一切関係ありません!
女御たちが男性社会に蔑ろにされた存在としての意味も持ってしまっているので、その状態で彼女たちに「本当に光源氏を愛していたから彼を殺せない」って言わせたまま終わらせたら再生産になっとるやんけ!と思う。
私はあれをオタク君の妄想としてバッサリ受け取るけど、仮にオタク君の妄想として受け取ってても、再び男性の意思で女性の意思がなかったことになる構造になるので、そこはちゃんとやれよと思う。
オタク君の性別を男で固定してきたっぽいので余計そう感じる。
別に性別固定してなくない?に関しては大倶利伽羅が六条の御息所に成り代わろうとしたら性別を理由に拒否されてるんで、まぁ性別は固定なんだろうな~と私は受け取りました。
途中まで光源氏のベース人格を菅原孝標女とか~?って思っていたのも、女性でやった方がえぐみ落ち着くかな~と思っていたのもある。
でも菅原孝標女に紫式部のため!って言いだす人格を付与することもまたえぐみになるので、紫式部の物語を愛した性別も分からない誰かにした方が個人的には好きだったかもしれないなと思いました。
そうすると本当に光源氏ベースオタク君に私が完全に内包されるし。

■光源氏について
私はこういう自分勝手にあなたのためにって言う大義名分で無自覚にエゴ振り回して他人のもの踏み荒らしながら最後まで反省せずに気持ちよくなって消える害悪男が好きなので喜んじゃった。
禺伝の全貌、原作沿い光源氏成り代わり夢小説を現実にしようとするオタクの話なので、最後に光源氏が女御に殺されそうになったり若紫に殺されそうになるシーンで「それもいいかもしれない!」と言い出すところとか本当に私の好きじゃないオタクの手つきでウケる。最悪。
自分の大好きな紫式部を桐壺に宛書して、その上自分は光源次ではないと理解させたうえで両想いにする+光源氏の役割を失っているのに自分が何者か分かってくれる若紫+女御たちは最後まで自分のことを愛し続けたとする
あ~~~^^あ~~~~~~^^
人の夢小説の趣味にケチをつけてはいけません。はい。でもこの人これを公式にしようとしてきたんです!?!??!
私は光源氏のTwitterアカウントブロックはしないけどミュートにはすると思う。出土してきた骨、工事現場の人たちがうわー工事延期されちゃう~って言って隠匿してなかったことにしてほしい。
にしても紫式部を物語で登場人物を苦しませた罪で苛ませるくせに、オタク君が勝手にキャラの感情代弁してキャッキャすることに罪を付与しないのなんでなんでなんで~?
それはオタク君とお客さん(私)がニアリーイコールでそこに罪を付与すると最後の怒涛の丸め込みに水を差してしまい失敗する可能性が高くなるからだと思います!エンタメ商業作品ッッ!
まぁいうて創作をしたことに苛まれている紫式部もオタク君の二次創作なんだけど……。オタク君と紫式部の解釈が合わな過ぎてずっと紫式部のこと「誰?」って思っていた。
紫式部苛ますわりに、今回の作中で刀剣男子たちに物語を付与することに対してのえぐみについての描写も少ない。政府がやったことに対しての批判も軽い。
そもそも刀剣乱舞というゲーム自体が歴史として正しくない(と言われている)逸話で成立している刀剣男子がいることに全部ブーメランになるから先延ばしにしてんだろうな~というのもある。
段々刀ステではそこら辺の回収はしないんじゃないかとも思っているし……。
もしかして一文字の人達の「物語を愛そう」とか「愛によって紡がれている」とか歌仙の「地獄だ!」とかで物語付与の功罪を説明しきったという体なんだろうか。
確かに昨今のインターネットだと地獄とか鬱とか言ってりゃ勝手に点と点をつなげてくれるだろうけども……。ず、ずるい……。
まぁ私の好きではないメタ構造あるあるの「読み手の攻撃性に言及するわりに自己の暴力性には無自覚」のうちの読み手の攻撃性への言及が少なかったから、まぁまぁまぁ……。
いや全然飲み込めてはいないけど……。
なんかそういう攻撃性に無自覚で無邪気なところも込みで光源氏が最悪で好きなんだけど、作劇上そこらへんに自覚的なのかどうかは割と微妙でそこはどうかと思います!
いい加減物語付与して消費する暴力性の話を先延ばしにするには、作品数が重なりすぎじゃないかなと思います。

構造が複雑だったり登場人物多かったりやってること多かったりで言及する箇所が多すぎて確実に漏れがあるし、語り口としても雑な扱いが多いのはそうなんだけど、
それはそれとして物語賛歌をしたいんじゃい!!!!という熱意は確かに受け取りました!という作品だった。
好きか嫌いかと言ったら好き。それはそれとして人には気軽には勧めない。そういう距離感の話だった。
ここまで

感想

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