不理解理解

文末にはすべて必ず(※個人の考えです)が付きます

2023年11月4日の投稿2件]

なんかアルキメデスの大戦っぽいな~って思ったら同じ監督だったので笑った。
アルキメデスの大戦は戦争周りの描写とその作品としての結論が結局どこに行きたいのか明示されなかったからあんまり好きじゃないんだけど、ゴジラは個人の話に終始して大枠の戦争の話からずらされているからそこまで気にならなかったので本当に逃れって感じだな。麻雀です。

#eiga
ゴジラ-1.0 』見た!
ゴジラはシリーズ追うとかはしておらず、モスラとかキングギドラとかが出ている映画をちょくちょく見ているくらい。シン・ゴジラも見た。
以下感想

■総括
多方面にチューニングされつつ王道展開をやっていて真面目な映画だ…‥!というのと、神木隆之介の演技が迫真過ぎて初めて演技について考えました。
あとゴジラの演出がいつもと違うような気がして面白かった。いままでで一番こちらの生命の危機感を感じさせるゴジラだったように思う。
それはそれとして戦争を扱う作品としてはかなり雑だけどこれはエンタメ映画なので―――――――――――――!と突き進んでくるのでそうだね!となる。

■概要
1945年戦時下で特攻隊員の敷島は機体不良の名目で不時着した日本領土の島でゴジラに襲われ、自分と1名の隊員を残して全滅する。
敷島は敗戦の中戦争で生き残ってしまったことを悔いながらも、スミコと孤児のアキコと出会い人生をやり直そうとするが、ゴジラが日本に上陸したことでスミコは行方不明となり敷島はゴジラへの復讐を決意する。
ゴジラを海の水圧差で倒す作戦が失敗したが、敷島の乗った飛行機でゴジラの口に突っ込む特攻によってゴジラを倒すことに成功。
ただし敷島の飛行機には脱出装置が付いており、敷島は生存。またアキコも発見され、日本は死ぬためではなく生きるため前に進みだすのだった。

■ゴジラ
最初の島に登場するゴジラが小型で足が速いし人間のことを狙ってくるし口で咥えて吹っ飛ばしたりするので滅茶苦茶怖い!今までの私が知っているゴジラって、災害的故に建物を破壊した末に巻き込まれて人間が死んでいるんだろうな~(画面外)という感じだったので、直接人間に対して敵意を持って襲ってくるので怖いよそりゃ!ジュラシックパークのティラノサウルスの動き!
最初の人間を吐け狙う動きがあったおかげで、この後のゴジラの反撃行為が敵に対して狙っているという文脈が付与されるのか、今までで一番敵意が強くて怖いゴジラだったように感じました。そりゃ敷島も撃ちませんよあんなの……。
その後は巨大になるので動きはゆっくりになります。これは結果的に1映画内で違うゴジラの動きが見れる感じになっていて良い。シン・ゴジラにおける完全体とカマタンみたいなお得感があります。
今回は街だけじゃなく船をたくさん壊してくれるんだけど、船の壊し方がメグと似ているので勝手に盛り上がりました。船をバキバキに折ってくれる巨大生物はカッコいい。横から口で1噛みで破壊する奴が一番好きだけど、上に乗っかって握りつぶす奴も良かった~!こんなん敵う訳ないじゃないですか!最後の口に爆弾突っ込む流れとか完全にジョーズで見た奴!!!!!!!!!!!(総じてサメ映画でよく見る奴)でテンション上がっちゃった。ゴジラの口に何か突っ込んで爆発させる奴は良く見るんだっけ?
あとビームを打つときの演出がかっこいいんだ!背中のとげとげが尻尾から段々に青白く光り突出していってビームを吐くんですが、それが戦隊ロボットのビームのための力溜めみたいで超かっこいいし、演出としてもビームが来るぞ!とこちらが思えるので良い。さらにそのビームの火力が強すぎるのでゴジラの口が自壊するんですよね!力が強大過ぎて反射ダメージがある強い技大好きなので嬉しかったです。その代わり今回のゴジラには再生能力があるので自壊してもすぐに治ります。ズル。
あと演出面で面白かったのが、ゴジラは災害ではあるんだけど登場するときの音楽がオーケストラっぽいというか神々しいものになっていて、有名なゴジラの曲じゃなくなっているんですよね~。災害だけでなく神のような生物としての演出が強かったような気がする。これはちょっと珍しいなと思った。KOMの影響なのかな。KOMはゴジラ周りを神聖なものとして描いていると聞いているのですが、KOM見ていないので今度見ます。なんか今回のゴジラは放射線の話は出てくるけどゴジラ本体が水爆物質によってつくられたみたいな文脈がほとんど出てこなかったのも、神みたいななにかっぽさを強めているような気がする。
逆に有名なゴジラの曲は人間が対ゴジラ作戦を決行した時に流れたんだよな。これに関しては他作品でもやっていたかも。シン・ゴジラどうだったかな。シン・ゴジラは普通にゴジラ登場であの曲使っていたと思うけど。
あのゴジラの曲ってカッコよくて盛り上がるので、今回のようなゴジラを災害として描く作品でゴジラ登場に使うと文脈と違ってしまうし、人間がゴジラに立ち向かう視聴者として一番テンションが上がるシーンにあの曲を採用すると音楽効果が何倍にもなる感じがするので個人的には好きでした。
ゴジラが現れると深海魚が海に浮かぶというのも不気味な演出でよかったな……。個人的にゴジラ周りの演出では今までの作品の中で一番好きかもしれない。

■戦後の日本
シン・ゴジラの後にゴジラ作品作らされるの大変だろうな~って思っていたので、要素を一つずつちゃんとずらしたうえで価値観を原題向けにチューニングしつつ王道も踏んでおり、滅茶苦茶真面目な作品だ!??!?となった。
まずゴジラを災害扱いするというフォーマットは同じだけど、そこにゴジラと戦争から生き残ってしまった敷島という主人公を刺しこむことで人間の成長物語にスライドし、敷島の成長を描きながら科学者の「我々は死ぬための戦いではなく生きるための戦いをしなくてはならない」と戦争の有様を否定しこれからの未来を肯定する話をちゃんと入れることで価値感のチューニングもしつつ、敷島の成長をちゃんとそのチューニングに合わせて着地させるというのをやっているのでマジで偉いな!?!??という感想になった。あとゴジラと戦う主体がシン・ゴジラの時は国だったけど、こっちは民間になっているところも個人的には面白かった。シン・ゴジラだと国の人たちがみんな有能だったけど、こっちでは国は情報隠匿!足きり!改ざん!って感じなのでへへへ……。
あと1人の成長物語に終始することで、他のこまごまとした大事をショートカットできるのも良いよね……。あと戦後設定で調べられる機材も人材も禄にいないので不明瞭な部分が多いのが許容されるのもいい。わからないことを描いているので受け取り手もそれに納得するので描かなくていい。科学技術が発達する前の時代設定とか、クローズドサークルで鑑識が呼べないとかのミステリーの味がする。
戦争に際して自分に「国のために役立てる」というロールを与えることで立ち直れる人々を描きながら、立ち直ることは否定しないがそのロールは決してあってはいけない認めるわけにはいかないというのを1人に言わせて、周りの人もそれに看過されるという流れを踏んでいるのも面白い。これ看過させるタイミング難しかっただろうな……。
ほいで戦争の良し悪しについては悪いに主軸を置きながら敷島個人の成長物語なので細部に関しては描写しなくて良い!逃れ!となるのはエンタメ映画的でうまいことやっとるな~って感じだ。

■対ゴジラ作戦
やっぱりゴジラの作戦にはかっけー名前を付けるとかっこいいよな!!!!!!11みんなが集まってゴジラを引っ張り上げるシーンに繋がるとこも好きだけど、1回減圧止まっている時点で失敗では!?と思わなくもないけどとりあえずやることを全部やるぜ!が主軸なのでヨシ!

■敷島
本作の主人公兼生き残ってしまった悔恨をこれでもかと植え付けられた復讐者。敷島が立ち直ろうとするたびに現れるゴジラ、お前は一体敷島に何を……?
どんなにゴジラを殺したいと思っていてもベースは「生きたい」の人なので、だから最後の時にもちゃんと脱出装置が動かせたんだというのが好きだ。
敷島、ラックとアイディアはクリティカル出すのにEDUかINTが低いのかゴジラが来るってわかっている状態でアキコさんを銀座へ放つから「なんなんだ……」って思ってたけど、多分これ後日敷島が公開するための失敗判定だったんだろうな!敷島…‥
作中で何回も何回も絶望に叩き落される人なので、敷島の泣きや叫びの演技を何度も見ることになるのですが神木隆之介の演技がうますぎる。全部違う苦悩だと思わせる演技ばかりでびっくりした。邦画の絶望の演技って「うぉぁぁああああああ!」って絶叫してシーン切り替えなものが多く、私はそういうの見ると白けるタイプだったので今回滅茶苦茶びっくりしたし演出と演技で与える印象全然違うしやっぱり今までの私が見たことある邦画真面目にやってなかったんじゃないですか!?!?!?!?ほかの作品を腐すのはやめなさい。はい。ともかく神木隆之介の演技がすごい。演出もすごい。ついでに演技でいうとアキコちゃんのは演技というよりそこにいる子どもにそのまま喋らせてる感じが良い意味で強く、演技なのかそうじゃないのかわかんなかったんですが、泣きの演技がどう見てもガチ泣きでこれどうやって撮ったんですか!?!??て普通に心配になった。どうとったんだ。
ここまで

感想

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