不理解理解

文末にはすべて必ず(※個人の考えです)が付きます

検索語「https」の検索結果188件]6ページ目)

#eiga
わたしの幸せな結婚 』見た!
恋愛映画見よう年間。
原作・漫画共に未読!

以下ネタバレ感想

総括としては恋愛ものとしてちょうどいい塩梅な上に、アクションシーンが滅茶苦茶かっこいいので満足度が大変高い映画だった~!
こういう冷酷無比な男に嫁ぐ系って、主人公が健気な姿をみせた結果冷たい人格が氷解して主人公にだけ優しくなるがテンプレートだと思って行ったんだけど、これDVを受けていた少女を少し不器用な主人が介護して段々と自信をつけていくお話でびっくりしたよ~~。久遠さん最初から滅茶苦茶いい人だよ~~。

背景美術周りも良かったし見ていて楽しい画面作りだった。
あとこれは個人的にびっくりしたんだけど肌のメイクの表現幅が広くないか!?
主人公の手のあかぎれが治ったり髪の毛がぼさぼさじゃなくなることで大切にされていることの表現になるのはたまに見るけど、肌が荒れているのが綺麗になるのがちゃんと見た目で分かったので勝手に感動していた。帝も死ぬ間際に肌の色が浅黒く油でテカっていたのでメイクさんのこだわりがすごい。
他にも主人公の料理するときに野菜の処理がただ生きるために料理しているのではなく、誰かに食べてもらう前提の包丁の処理を入れていて使用人として真面目にやっていた様が分かるなどの細やかな手つきがすごい良い~~。

そして何よりアクションシーンがかっこいい~~!
CG使いながらカメラアングルも工夫しているので大変楽しくみられる。
殺陣も楽しいよ。

バリバリ続編匂わせをしていたんだけど、ぜひとも同じクオリティーで続編を見せてほしい~!

感想

hololive SUPER EXPO 2023 』1日目に行ってきた!

私はこういうイベントに行ったときに、参加者層をざっと確認するのが趣味なんだけど、今まで参加したイベントの中で一番グローバルだし性別も年齢もぱっと見バラバラで面白いね~。
今回はコスプレもたくさんいたんだけど、VTuberって細かい衣装がたくさんあって三面図も公開済み+髪型や小物が違うので人によって同じ衣装でも小物が違ったりして面白い。
あとホロスターズのおしゃべりイベントの列を見た時に、並んでいるファンの雰囲気がキャラクターによって全然違うのが面白かった。
アルランディスの列の人、服みんな緑だったんだけど配信で何か言われたんですか!?!?自主的!?!??!
食べ物の単価が高くてウケてたんだけど、どれもおいしくて良かった!チキンとか温かいし柔らかいので今まで食べたコラボメニュー系の中で一番良かったかもしれない。
イベントの購入回りも事前購入があってスムーズだったので全部のイベントに導入してほしい。

生憎ライブには参加できなかったんだけど、XRみたいなライブになっていたらしくって見てみたかった~~~~!!!!!!!!!

感想

#hon
見えないものを探す旅 』読んだ!
ゲームさんぽ』で紹介されていた本。

以下感想。

総括としては知識を持ってさんぽするとより深く世の中を見ることが出来るよ(見れるといってもあくまで自分で無理やり引いていることにも自覚すべきだよ)というスタンスなので読みやすかったです。
作者の方が能楽師・大学教授・ゲームのプロデューサーというすごい肩書なのでその時点で面白い。この人ゲームさんぽに呼ばないんですか!?
私が能に全然詳しくないんだけど、解説が読みやすいのでとりあえずするすると読めて良い。
こちらの本でも、知識があると逆に見えないものも出てくるよねという話を触れていて最近の摂取しているものに通じるところがあって面白い。
色んな参考書を読んだ結果要点が分かりやすくなる現象が起きている。

感想

Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023"GIFT"at Tokyo Dome supported by 雪肌精 』見た!

以下一周回って面白かったな感想


作家性強すぎて笑った。
作家性が強いこと自体は問題ないけど、それと面白さがトレードになってないとほよよ~となるな。
やりたいことはわかるけど、やりたいことの明確さに対して演出が不明瞭かつえぐ味が強くて集中できなかったぜ!
リアルタイムに生きている人間をコンテンツにすることに苦手意識を覚えている人間なので、その行為を本人から「『辛かった』けど『暖かかった』」と言われてもやっぱり生きてる人間につらいを与えた事実は、例え同じバランスの暖かみを提示されても不均衡に感じる~し、バランスはやっぱりお前らの与えた辛さのが大きいように感じるぜ……。
全体的に受け手より語り手のための物語って感じだし、本当に自分のことしか語らないで終わるので私小説的だ……。
なんか自己完結さに関して『アド・アストラ』を思い出した。

感想

#xoxo
なんとてがろぐだとこういうTwitterで流しておくよしなし設定をメモしておくことが出来るんだ!素敵!

■『xoxo A to M』読み方
意味的にはキスハグで○×にもかかっています。読み方は特に決めていません!

■学校は高校か大学か
一応高校(学園)設定です。雲雀ケ丘ノドカさんは学力的にも大学で良いんだけど、本人が何を思ったか高校に行きたいと言い出したので須藤くんのお父さんに相談して捻じ込んでもらいました。
須藤くんのお父さんは割と涙もろい人なので、なんか須藤くんの話とひっかけて交渉したらしい。

■斑鳩ピースさんのカップは何?
「相手に無理やり紅茶を飲ませてはいけない」などイギリスで提唱されている性的同意についてのたとえ話のアイコンとして引きました。


■ヒヨリさんの転校元
『だいすきなあのこがまったく振り向いてくれない』の学校から転校してきました。
佐藤ちゃんとおんなじ制服です。

メモ

#game
パラノマサイト FILE23 本所七不思議 』大体クリア!
滅茶苦茶楽しかった~!

以下ネタバレ感想。

総括としてはノベルゲームとしての遊び心があふれているし、プレイヤーが介入する構造がシナリオに組み込まれているのでとても楽しかった~!
楽しい楽しい。

■システム
私はもともと『街』とか『428』とかのザッピング式のノベルゲームが大好きなので超楽しい。
メタ構造入っているうえで、プレイヤーの介入がメタ的に意味があるので滅茶苦茶嬉しい~。そしてそれが明かされた時点で、キャラクターはプレイヤーのもとを去って各々の人生を歩んでいく様が描写されるのが超好き。プレイヤーとキャラクター間の突き放しが最後にあるのが好き。
彼らは私が手を貸さなくとも彼らなりの人生を生きて行ってくれる~~~!最後にプレイヤーが離れることで物語が収束するのは美しいね。
加えて、作中で約子さんのかなりわかりやすい憑りつかれる事象があるおかげでそこまで唐突な感じにもならないような構成になっているのが憎い~。
それはそれとしてスキップ機能は欲しかったぜ!

■キャラクター
立ち絵が可愛い。太めの縁取りに細い線で細かい表情を拾うイラストっていいな……。特に表情が分かりやすい喜怒哀楽ではなくて曖昧なものが多いので好きだ。男たちのアヒル口が滅茶苦茶かわいいし、約子さんの歯を見せて笑う表情も好き。
可愛い絵だと思っていたら、『すばらしきこのせかい』のイラストレーターさんなんだ!すばせかだと頭身もうちょっと低めだけどがっちりした人の立ち絵が好みで良い。というかすばせかでもヒガシザワよかったからな……。
エリオのあのなんかエッチなクロスのベルトは何。後ろ姿がすごい好き。ミヲちゃんもシルエットが丸くてカワイイ~。
後ろ姿や横顔の立ち絵がある時点で良いノベルゲームだと感じられる。リヒタが机越しに話しかけてくるのも好き。
立ち絵の選び方が参考になるのでメモしておきましょう。
カメラワークのおかげで似たような立ち絵でも奥行や動きの表現幅があるので視界も楽しいし、これは参考にできそう~。
あと視点カメラ固定のパノラマだからこそジャンプスケア系の驚かしが効いていた気がする。

■シナリオ
現代和風怪異譚特殊能力頭脳戦バトルロワイヤルだ――――――――――――!
こんなの開始時点で楽しくなっちゃうよね!
興家君が最初にこちらの命令を全無視してくるのと速攻で死んだのでまぁミステリの定跡として最初に死ぬやつは怪しいし綺麗な伏線回収感を出すためにラスボスか回収になるとは思っていたけど、福永さんが思ったよりさっくり勝利したのでびっくりしちゃった。
5人殺害した先で死んじゃったのは、福永さんを生き返らせて返り討ちにあったってことでいいのかな。かわいいね~♡
出会って1か月くらいの女の子のためにサクサク人殺しができる興家君好きだよ。例えそれが前世の因縁であっても。
にしても福永さんの霊感の例えがお酒の強さなのはミスリードなんだろうけどどこから来たんだろう。
全部終わった後の興家君が滅茶苦茶冷めた人だったの、約子ちゃんが途中江戸っ子が抜けていたのと同じ事象だと思うので最後までいって初めて私は興家君を見たんだな~。感慨深いね。
キャラクター同士の会話も良い感じに適当で良かった。
刑事同士のラノベに出てくる高校生みたいな会話と、探偵と奥さんのツッコミ不在型のシリアスっぽいふざけた会話が好き。
ちゃんとプロタンって呼んでくれるし駄菓子屋にもついてきてくれるしシールも一緒に探してくれる奥さん好きだ……。
私は逆転裁判の調査パートの脚立と梯子みたいな不要な会話が大好きなので、この二組の会話がめちゃ好き。
話が進むほど全部のキャラクターの情報が集まっていくのはザッピング型ゲームのだいご味だけど、それがとても楽しめるゲームでした~。

まだトロコンしてないのでまたしばらく遊ぶぞ。

感想

佐伯祐三 自画像としての風景 』行ってきた!
知らん人だったけど良かったし、東京ステーションギャラリーの学芸員さん好きだ~。

以下感想。

総括としては情報の取捨選択と構図の取り方がシャープでカッコよかった!風景画も静物画もかっこいい~。
そして作品の展示の仕方と解説が論理的+冷静で良かった。今まで見た展示の中で一番好きな構成だったと思う。

■佐伯祐三
デフォルメというよりは重要な要素を拾って絵を構成する書き方をしていると思ったんだけど、その取捨選択に知性感じて滅茶苦茶格好良かった。
あと私が油絵の日本風景画をあまり見たことがないのもあって新鮮だったし、日本時代の思考錯誤が見れてとても面白かった。
西洋と違って高い建物がないため、電柱を描くことで画面上部のバランスを取る。それはそれとして電線は邪魔なので描かない。
これで画面が滅茶苦茶しまっているんだよな~!
2回目の留学の時の街の風景に黒い電灯がちゃんと描かれているのも、たぶん電柱での画面構成を踏まえた奴なんだろうなと思って勝手にテンションが上がってしまった。
あといろんな画家の描き方を取り入れているという解説に沿ってみると、確かに遠近法の取り方とか建物の直線の取り方に反映されているし、それが後々の画風にも影響しているッポイので、絵も技術的な勉強を踏まえて描くのがかっこいいな~と思いました。
特に2回目の留学の時の壁の絵が全部格好いいんだ~!
壁のポスターを取り入れているところとかが割と現代的で私の今の感性に近いからかもしれない。
扉だけの絵がどれも格好いい~。ポストカード欲しいね。

■展示
私は佐伯祐三のことを知らなかったんだけど、解説が分かりやすいおかげで頭の中整理しながら見れて良かった。
全体は佐伯祐三の人生を追う形の展示順なんだけど、最初の解説に展示の全体概要が書いてあるのでそれになぞって見れるのが良い。研究論文における概要が最初にちゃんと書いてある!
前述のほかの画家の勉強をしたという解説の近くにそれらを反映した絵がちゃんと飾ってあるのもありがたい……。
あと私は解説文に「まるで○○のようではないだろうか。」「○○のような××を感じる。」みたいな恣意的な文章があると「あなたはそうかもしれないですね……」と引きがちなんだけど、今回それが全然なかった。(たぶん
でも意思がない訳ではなく、情報量と丁寧さで構成されているところに意志を感じるので良い。全部の展示そうしてほしい。絵にどういう感想を抱くかは私に決めさせてください。
特に勝手に唸ったのが、東京ステーションギャラリーって2階だけ壁が赤レンガになってその階の展示が「ヨーロッパの壁」というタイトルで佐伯祐三のレンガ造りの壁の絵ばっかりになってるところ!!!!!!!!!!滅茶苦茶かっこいい!!!!!!!!!!!オシャレスギル!!!!!!!!
展示の解説も良ければ作品展示順も良ければ展示のまとめ方もタイトルの付け方も額縁の選定も全部オシャレだった……。
東京ステーションギャラリーの学芸員さんの解説を読むために展示通うのありだな~ってなるくらい素敵な展示でした。
学芸員さんの構成によって、おんなじ絵の展示でもいくらでも満足感違うの面白~。

感想

#eiga
BLUE GIANT 』2回目見た!
音響自慢の川崎チネチッタで見た!
1回目の感想こっち

以下感想。

総括としてはシナリオの構成が丁寧なことを再確認出来て良かった!
それはそれとして一番好きな曲がどれなのかわからないし音が大きいので終わった後しばらく頭痛に苛まれていて音楽適正無ッッと思いました。

私にSoBlueの人が初めて聞きに来たライブの曲名を教えてほしい。何もわからない。トムがかっこいいことしかわからない。

初回の雪祈の演奏が片手演奏なのが最終ライブに繋がっているのとか、雪祈の「1回死ねよ」と大の「死んで来い」とか才能があれば踏み台にすると言っていた雪祈が大のことを後押しする行動をとるところとか、So Blueの客席に登場していた人がたくさんいたりとか気付けて良かった~。
原作ではラストライブがないらしいので、映画としてかっこいいの再構成していると思って唸っちゃった。

そしてライブ映画なので音楽は何度見ても良いし、前回とはまた違った曲でぐっと来たりして楽しかった。
前は玉田にうぉぉぉってなりがちだったけど、今回は雪祈のサビが良かった~。
でもやっぱり私は玉田がかっこいいよ……。

感想


私もこの報酬型の思考が滅茶苦茶強いんだよな~。
ただその報酬はハッピーかバッドかはあんまり関係ない。(そもそもハッピーかバッドでエンドを二分するのが暴力的であることは置いておく)
テーマや主義主張が一貫しているかどうかと、それに対する証明やフォローアップがちゃんとしているかが重要だと思っているっぽい。
だから最後胸糞エンドでも主義が一貫していればよいし、ただ胸糞がしたいだけのエンドだと私が受け取ったら「そうっすか……」で心離れる。
世間的にハッピーエンドでも、やってることがおかしかったりテキスト内の主義と齟齬がったりフォローアップが足りてなかったりすると好きではないな~となる。場合によっては齟齬をハッピーエンドでごまかしたな……で引き算することもあるしな~。

テーマや主義主張をあんまり重要視していない話だった時は、気持ちよく読めるパートがあればもうそこらへんで報酬はもらえたって感じがする。だからB級映画の瞬間最大風速で大満足。

まぁ報酬って結局物語の何を面白いと感じるのかと近いんだろうな。
自分にとっての面白さとは何かについて考えるの大好きなのでこういうお話をこねる場所があるのはやっぱりいい。

#hon
翻訳文学ブックカフェ 』読了!
最近翻訳について考えていたから読んだ。
確かなんかのブックフェスの時に買った。若島正先生(面白い詰将棋作る人)がいたから買った。
積読はするもんですね!

以下感想

総括としては言うまでもなく翻訳者によってスタンスは全然違うし、こりゃ翻訳者によって合う合わないが発生するわ!がよくわかって面白かったです。

■翻訳は二次創作的という私の考えについて
全体を読んであながち間違ってはいないなと思ったけど、あんまり正確でもないと思った。
どっちかっていうと楽譜を貰ってそれを演奏するが近いんだろうな。与えられた音階を元にどう表現するのかを試行錯誤する作業っぽい。
二次創作だと余白を足したり引いたりしすぎるイメージが強くなる。
そして私は楽譜を貰ったら自分で演奏したい!という風に言った方がしっくりくるかも。

土屋政雄先生の「文学作品の場合、原作者にどういう意図があろうと、翻訳者が勝手に訳せばいい」[p.211 l.18]とかはその傾向が強くて勝手に補強になった。
多分この思想は翻訳という行為をしている時点で意図を完璧に受け取ることが出来ないという前提があっての「勝手」という話なんだろうなと思っている。
もちろん作者の意図を訳すことを念頭に置いている人もいる。バランスのとり方が人によって全然違って面白い。
何を基準にするかが人によって違うのも面白い。
作者に会いたい人会いたくない人とかも違うし、それによって翻訳の質が上がる人もいる。
インタビューはうけてないけど、もともとの翻訳文はクールな感じだったけど、作者にあってみたら温和な人だったから翻訳を全文温和な感じに書き換えた人とかいるらしい。(私はそれをされたら切れると思う
翻訳する際にも、本文や作者と全く別軸で、出版される時代に合わせた翻訳をするというのも面白かったな。
改めて考えると、今風じゃない表現をターゲット層に合わせて変える作業を受け入れてくれるのってすごいよな~。
日本の作品でも古い作品はやっぱり読みにくいもんな……。
南総里見発見伝とかの、マジの古典とかまで行くと現代語訳があるけど、近代文学ってあんまりそういうの出ているイメージないもんな。軽く調べてもこれ くらいしか引っかかってこない?また調べてみよう。
そう考えると日本文学よりも翻訳された本の方がストーリー重視で長く読み継がれそう。
時代性を保ったままの作品はストーリーより古典・学問として親しまれるというか。
翻訳文学ってストーリーを重視するのか表現を重視するのかそれ以外を重視するのかがマジで翻訳者次第だ……というのが強まった。

■音楽的な話
面白いのが、多くの人が「ダイナミック」「リズム」「スピード」を大事にして翻訳していると言っていたこと。
これに関しては、私が最近の漫画原作を忠実に再現するアニメを「漫画の時とテンポが合わね~」と感じることがあるので勝手にシンパシーを感じている。
作品内の重要な要素そうじゃない要素に含まれるテンポやスピード感や空気感を保とうとする姿勢自体は滅茶苦茶好ましい。
ただ、村上春樹が海外文学は読むが戦後文学は読まない「いわゆる文芸日本語が読めないから。」「戦後文学って感覚的に弱いですね」[p.242 上 l.15]って言ってるのと逆に、私は翻訳文学が感覚的に文書として重くて読めないからこう……どうしょっかなぁ!って感じです。
たぶんその大事に再現しようとしているテンポやスピードが私にとって重いんでしょうかね!?村上春樹も割と読めないし。

あとこれは本文に関係ないけど、注釈に書いてある翻訳文がどれもこれも目が滑ったので本当に……読めないんだね……!って思って面白かった。
読んでください。

感想

#hon
ゲームさんぽ 専門家と歩くゲームの世界 』読了!
知らない人がTwitterで勧めていたので買った。

大変良い。
以下感想

総括するとゲームさんぽ自体は楽しく拝見していて、本書もとても面白かったです。
対談形式だったり講演式だったりで、個人的にゲームさんぽをそのまま本にした感じがして良い~。
ゲーム以外の先生自身のバックボーンや思想について触れられるし、それらも含蓄があって楽しいんだ。

■注釈
ゲームさんぽ自体、寄り道をすることで見える世界という思想で作られているというのが述べられているんだけど、注釈がそれを体現していてよかった!
本文では登場した先生とインタビュアーの人との対談がまとまっているんだけど、ページの下1/5が注釈スペースになっていてまず広い。
そして注釈も、言葉の解説だけではなくてその言葉に関連する書籍やニュースについての説明があるのがとても楽しい。
それも注釈を書いている人が解説の人だったりインタビュアーの人だったりで、みんなで一緒に書いている感じと雑談的脱線って感じで良い。
解説してくれる先生によって語り方も全然違って楽しい~。
丁度注釈で言及されていた本を並行して読んでいるところだったのでウキウキしちゃうね。

■ゲームと知識
読む前は、知識や専門性があると世界が変わるよねというのを前提にやっているのかと思っていたんだけど、本文を読むと「あなた自身も専門性を持っている」というのが大前提にあるのが驚いた。
ここにおける専門性は体系的な知識ではなく、個人に紐付いた体験や感想、感覚のことです。
何を見ても自分が思い出すことがらがあって、それをあなただけの気持ちとして扱ってくれているし、自分以外の人の気持ちや知識があるとまたあなたの気持ちが出てくるというスタンスでいてくれているのありがたいな。
たしかに最初のゲームさんぽがなむさんのお子さんとゲームをする奴なんだもんな、そうだよな~。
あと建築・景観に出てきた「作り手と使い手。情報の送り手と受け手。両者のあいだに上下の関係はなくて、肩を組みながら、目線は合っていないけど、同じモノを見ながら考えているみたいな、そういうコミュニケーションがあるべきかと思います。」[p.74 l.6]がとても良い。
ゲームっていうツールを使って、プレイヤーと作者が同じものについて考えるというスタンスが私の目指したいところなので、勝手に喜んでいました。別に正解なんてなくて、それについて考えること自体が嬉しい。
そういう話をした後に、法律の話でゲームは法的に「映画の著作物」という「作った人よりもお金を出した人が強い」[p.258 l.9]話が出てくるのも楽しい。
いろいろな視点があって、どの人もほかのジャンルに対するリスペクトがあった上で自分の考えを述べているように見える語り口なのもあって、とても楽しく読めました。
特にゲームさんぽの立案者のなむさんの小論が、学び方を体系化して論じているのでとっても楽しい。企画自体が気の向くままに歩いてみるのに対して、基本思想がしっかりしているから見ていて安心できるし楽しいんだろうな。
いいな~~~~。

■関係ないこと
子どもの視点について話す時
「僕たち大人はすでに言語で世界を分けてしまっていて、赤ちゃんにしか見れない未分化であいまいな世界認識にはもう戻れない。」[p.27 l.21]
を見てこの前言語学ラジオで見たところだー!って思って面白かった。
多分この回?あとで確認します。

私は言葉で物事をカテゴライズすることに関しておもしろがっているので、最近見ているコンテンツでこういうところがつながると面白い。
ついでに言語学ラジオで「友達を情報量で選ぶ/個人の体験に基づく話をされても面白くない」(意訳)って言っている駄弁り回を見たばっかりだったので、そこの温度差にもウケた。

感想

『ヒトラーのための虐殺会議』の事前予習spotify 聞いた!

歴史が苦手なので今までこういうの聞いたことなかったけど、時系列や時代背景と合わせて解説してくれるので聞いていて楽しいね。
前に行った「エゴン・シーレ展」で、同じ年にシーレとヒトラーが同じ美術大学受験していたことに言及されていたのも思い出した。
どっちでもヒトラーの絵を扱き下ろされているね……。
映画にはヒトラーは出てこないので直接的に関係する話ではないけれど、ヒトラーがそこにのし上がれるような社会的背景を押さえられる構成。
暗い話なのでそれを重すぎる話にしないように気を使って話してくださっている感じもあったね~。
絵を描いたりコード移植するだけの作業だと並行して聞けるから、またほかのも見てみよ~。

感想

#eiga
金の国 水の国 』見た!
面白そうだったのとそろそろ放映終わりそうだったから見た。
漫画未読。

以下ネタバレ感想。
総括するといい人たちによる勇気と理知と優しさがベースにあるけど、ちゃんとそれだけではない政治の話として綺麗にまとまっていてよかった。

登場人物全員いい人~!
勧善懲悪の役割を担わされるんだろうなと思っていたピリパッパでさえ最後まで宮殿に残るから、最後まで人間の優しさに掛けてくれる話なんだなと思った。
ただ100優しい訳ではなく、政治のために家族を人質にしたり、二人を殺そうとしたり、相手国を下に見て戦争の引き金になる行動をしたり、人のことを試すようなことをしたり、本人の目の前でバリバリ差別発言したりで人間の嫌な部分もちゃんと書いているのでその塩梅が好きです。
そういうことをするのは許されないしそれでも人間はそういうことするけれど、その行為のベースには誰かを思う気持ちだってあるんだよ!という眼差しがあるのかなぁ。いやそういう気持ちがあっても全然許されることではないが。
なんか最後まで誰も突き放さない姿勢があったのかな。なんだろうね。
どっちかというと人間の嫌な部分やえぐみを強調すること自体を作品のフックにしていないという方が正しいかも?作品として表現したいのは善性であるという姿勢があるのかなぁ。
あと何かを救うために何かを選ぶ時、提示された二択のどちらかではなく両方を取るをやってくれるのが大好きなんだけど、
よく見る「私が両方を諦めたくない!」ではなくて、「選ばれなかった人が生まれるのが嫌」で両方選ぶという描き方がまた前述の眼差しと重なって良いなぁと思う。
国ごとによって文化や経済状況、価値観が違うよというのを3国以上出して話してくれるのも良い。
原作読みたいね~。

感想

#eiga
ヒトラーのための虐殺会議 』見た!
確かTwitterで誰かが予告について言及していた記憶。

以下ネタバレ感想

総括すると嫌な『12人の怒れる男』/『ハイパーインフレーション』だし、全然自分の身に起こりうるしなんなら起こっている部分もあるしで、観ていて嫌な気持ちになる良い映画でした。

ユダヤ人虐殺の方法を頭のいい人たちがお互いに探り合いをしながら淡々と進めていく会議を見る映画なので、現代倫理から行くと受け付けないことが当然のこととして進んでいく居心地の悪さをちゃんとかんじさせてくれるちゃんとした映画でした。
大体同じ部屋での会議でBGMなし・回想なしなのは『12人の怒れる男』を思い出して楽しくなるね。
それはそれとして難しい用語や登場人物が多いせいで、知らない中規模プロジェクトの5回目くらいの会議に突っ込まれたくらいの気持ちではある。
勉強してからもう一回みたいな。公式でも勉強用のSpotifyの配信URL公開していたので手厚い……。

実際に行われていた会議の議事録を元に作成されている映画らしいのでモラルセンターがいないにも関わらず、言葉選びや演技が良くて全部嫌な気持ちになるのがすごい。
途中に「牧師の家なのでこういう行為に抵抗が……」っていう台詞でちょっと救われた気持ちになってからの消沈がすごい。いや議事録見てないから実際には逃れのための台詞だったのかもしれないけど、でも映画としては多分賺しからの突き落としだと私は解釈した。あぁぁ……。
どこかで議事録見れないのかな。探してみよう。

そしてこれは作品意図として完全にずれている感想だということは100承知なんですけど、登場人物軒並み頭がいいので会議のテンポが滅茶苦茶よいから聞いてて気持ち良い。
全員政治家気質なので、婉曲表現を使う・回答を濁す・揚げ足を取るのはもちろんあるんだけど会話をするとちゃんと会議が進行するので……本当にちゃんとしている……。全然ちゃんとしていないけど……。
戦略家・軍師タイプの頭のいい人間が好きなので、戦争物のこういう会議シーン好きなんだよな。頭の良さをこんなことに使うな。差別にも戦争にも反対です。
戦争は嫌いだけど戦争物のフィクション作品の登場人物が好きなので、こういうノンフィクション物を見る時にはしつこいくらいに自分の中で線引きをする必要があります。

流石にここまでではないけれど、こういう叩き込まれた・周りの人間も当然と思っている気付けていない・気付かないようにしている差別意識ってのは私も今も絶対にあるだろうから、こういう作品を見ると毎回二重三重に落ち込む。
定期的に見てわが身を振り返りましょうね……。
というかこの作品ドイツの作品なんだ……。本当にすごいな……。

感想

#hon
チョコレート・アンダーグラウンド 』読了!
Twitterで名前が出ていたので読んだ。
もともと海外文学の話の流れで出てきていたけど、私も児童書に関しては翻訳されたものでも読んでいた気がする。
多分一文が短くて、比喩が少ないおかげだと思う。本作も読みやすかったです。
ロボット視点の翻訳文が読みやすいのも、比喩や婉曲表現が減って読みやすいからだな……。

以下ネタバレ感想

総括としては、ドキドキワクワク冒険活劇に見えて、滅茶苦茶ちゃんとしたディストピアと革命のお話だったので楽しかったです。

■装丁
装丁が滅茶苦茶可愛い~!表紙が肌色とチョコレート色の二色なのが可愛い。チョコレート銀紙から剥いてるみたい。
邦題の上に原題の『BOOTLEG』が入っているのも嬉しい嬉しい。私は邦題も原題も教えてくれる作品が好き。
遊び紙?みたいなところがでこぼこの紙使っているのも本文に対するワクワク感が高まって嬉しい~!

■シナリオ
チョコレート禁止令、圧制のしかたとそれに対する一般人の姿勢はそのまま現代にスライドできるので身につまされるぜ……。
「ほかの人に投票しなかったから、連中が勝ったの。『悪が栄えるためには、善人がなにもしないでいてくれればそれだけでいい』って言うじゃない。あなたは、まさになにもしなかったのよ」『チョコレート・アンダーグラウンド』P.15 l.3
現代じゃん!!!!!!!!!!!
冒険活劇とは言うが、革命のために大人がしっかりと介入しているし基本一番危ない役割は大人が担っているところが良かった。
加えて、登場する大人が全員いい奴という訳でも悪い奴という訳でもなく、面倒くさいからやらなかった・つい過去の栄光を求めてしまった・お金が手に入ったので調子に乗ってしまったっていうダメなところもそれを巻き返すために必死になるところも人間らしさ爆発していてとても良かったな~。
個人的に子どもより大人の描写の方が好きな気がする。これは私が社会的責任を持つ人間になったからだとは思うんですけど……。
キャラクターのその後の生活を見ても、勧善懲悪という訳ではなく最終的にみんなが良くなる方向に着地しているのも好き。
軽くて爽やかなシナリオ運び、どっかで感じたことあるな~って思っていたけど、『青空のむこう 』の作者さんだったんだね~。
作者あとがきも全力で遊んでいて、こういうのを読むとやはり私は児童書が大好きだな~という気持ちになる。

感想

ついでに将棋わからなくても楽しめるおすすめの将棋作品を描いておくぜ!
将棋めし 』全6巻
将棋の内容わからなくても将棋って楽しめるんだよ!がテーマの漫画。将棋漫画興味ある人にはとりあえずこれを勧めている。
将棋の対局中に出てくるごはんの主人公が食レポがメインで、藤井先生連勝中の時の注文する食事に注目する流れを汲んで間口を広くしてくれている。
棋譜わからなくても問題なし。キャラクターも可愛い人が多いので、会話や設定などを愛でるのにもあっている。
それでいて実は棋譜も滅茶苦茶作り込んでいるので二度おいしい漫画。

ひらけ駒 』全8巻 ※Amazonアンリミにあり
将棋を指す子どもの親目線のエッセイに近い形のお話。
作者の方の息子さんが実際に奨励会員らしく、そういうのを念頭に置いて読んでも楽しい。
主人公である母親が将棋全然わからないので、持ってる話の中でもフラットに読みやすい気がする。
主人公の眼差しが優しいので読んでいてゆったりした気持ちになれるのも好き。

なんで突然将棋漫画読んでいるかというと、
①オモコロでリボーンの棋士が取り上げられていた
②そろそろ読むか……と思ってAmazonを開く
③将棋関連の書籍で後で買うに入れっぱなしになっていた奴が目に入る
④全部買うか……
の流れです。一応ちまちま集めてはいるんだけどね……。


別で紹介されている『根こそぎフランケン 』も私は好きなのでぜひ!
三枚目の絶対強者フランケンに出会って、へらへら昼行燈が闘争心を覚えて全力で強者に挑む最終戦がマジでかっこいい。
ついでにスピンオフで昼行燈のお兄ちゃんは女子高生の尻に敷かれ始める。Love?

#manga
リボーンの棋士 』読んだ。
なんで今まで読んでなかったんですか将棋漫画第2弾。
気付いたら5巻以上出ていて手を出すのをやめていました……。
たしかその時『将棋指す獣』とか『永世乙女の戦い方』とか将棋漫画が同時に出ていて手が回らなかったんだよな。

『リボーンの棋士』は好感をもてる将棋好きの主人公の底が見えない感じで話が進むのでキャラの扱いは盤王に近くて、
将棋の内容はシナリオの内容とはそこまで絡まないけどちゃんと棋譜が作られているのが分かって読んでいて楽しかったです。
自由・高見を目指す手・オールラウンダーで相手の得意戦法を受ける形なので羽生先生がベースにあるのかな~。
対局中の顔が赤くなる描写が滅茶苦茶好きなんだよな~。頭に血が上っているように見えてギラギラしている様。
私が好きな将棋指している人間っぽくて滅茶苦茶見ていて好きだ。土屋も良いキャラしているしな~……。
なんかこの二人はダイの大冒険のダイとホップみたいなW主人公形式を意識していそうで面白い。
関係ないけど望月が好き♡おかっぱぎょろめの性格の悪いプロ棋士♡

感想

#manga
龍と苺 』10巻まで読んだ。
『響~小説家になる方法~』の作者さんの将棋漫画

長期将棋漫画だ!
なんで今まで読んでなかったかと言うと、序盤の女を馬鹿にする男の描写が直接的過ぎて避けていたからです!
カウンターするためなのは分かっているんだけど、マジでそういう言動する人は本当にいるのもあってストレスがね!
最近腰を上げたんですが、最後の方はもう苺さんが常人離れしているのであんまりそういう言及少なくなって良かった。
苺さんがどんな風に強いのかもわかって楽しい将棋漫画だ~。
あと性格が悪い奴が強いという理屈なので、登場人物軒並み性格悪くて良い。
11巻楽しみだね~。

感想

#eiga
スマホを落としただけなのに
韓国版が見たくて日本版をちゃんと見た。偉い。
以下ネタバレ感想

ちゃんとスマホを落としただけなのにだ―――!
総括としてはサスペンスとしてよくできていた楽しく見ることが出来ました。
作中でもちゃんとスマホがたびたび演出として登場するのでとても良かった。

スマホによって人間がつながりやすくなったから簡単に炎上するし、スマホでしか繋がっていないから簡単に人間関係が壊れたりするよ!というのをやっていて、スマホを使った内容に超絶真摯だった。ちゃんとした映画だ……。
スマホのパスワードもちゃんと簡単にわからないようになっている。これがネット犯罪だよ。そうだよ。
ホラーとしての演出も良いし、人間関係ホラーとしても良い。
主人公と刑事が家族関係がうまくいっていないという点で対比になっていたり、最後に主人公の友人からの連絡もスマホ経由だったりとか、すげーちゃんとした映画だ―――。
犯人が刑事の息子に成り代わっているところが、日本版のヒロインが別の人と入れ替わっているネタとたぶん掛かっているんだよな……。偉すぎ……。
サスペンス系の韓国映画が好きなので、これも良かったです。

感想

カスのピタゴラスイッチって書いていてこれ思い出した。
Der Lauf der Dinge
これは汚いピタゴラスイッチ

#eiga
スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 』見た!

韓国版を見るために見直した②
以下ネタバレ感想

総括としては1よりも倫理レベルが下がっていてカスがよ!と思いながら見ました。

児童虐待ネタで引っ張った上におとり捜査の際に着替えシーンを見る警察に暴力シーンをエロシーン的な扱いしてきたし虐待経験がある人間に親と仲直りしろをポジティブな文脈で出してきたりで倫理レベルがカス!
同性愛のことを若干イジリネタとして出した後にMにそういう属性を振って来たところも何!?
前作はまだエンタメ映画としてやってます!目をつぶってね!って感じだったけど、今回は話の本筋にがっつり絡むところでそれをやるから好きではない。

でも1から引き続き、話を二転三転させるための引きを何度も作っているところとかはエンタメ作品としては偉いし面白かったです。
犯人が白髪になっているところとか、羊たちの沈黙みたいに協力関係築いたり、犯人と刑事は表裏一体……っていう明智と二十面相みたいな文脈で色気を出してきたところとかはウケた。
スマホ、落としてねぇじゃねえかと思ったら最後のエピソードぶち込んできて、ここまでそのタイトルにこだわる必要があるんですか!

感想

#eiga
スマホを落としただけなのに 』見た!

韓国版を見るために見直した。
以下ネタバレ感想

総括としてはお手本のようなB級邦画サスペンスなので、何も考えたくね~!と思ったときに見るのが丁度いいです。

スマホを落としただけじゃなくて、落とした先がカスのピタゴラスイッチだった映画。
殺人鬼の人や被害者の過剰な演技やごり押しの展開、山場を作るための謎の設定など何も考えなくていい作品で良いね~。
酒を飲みながらツッコミを入れつつ見るのが良い。
山場を作るための設定に児童虐待ネタを採用するところや女性の暴行シーンが長いのがカスだとは思うけど、サメ映画の被害者が大抵水着の女になるのと同じ文脈なんだろうな~。全然好きじゃないことだけは宣言しておくぜ!
メリーゴーランドの件もうぐちゃぐちゃで笑いながら見ていた。
ネットリテラシーが終わっている人々。
スマホを落とすって怖いね!

感想

翻訳本を読みにくいと感じるのとほかに、翻訳って原作の文章に対して翻訳者の解釈がかなり強く入っちゃうから腰が重くなるというのもあるんだよな~。
二次創作に近いと感じている。作者の目も通っていないものが多いし。
まぁ日本語でも原作をそのまま読んだからと言って、作者の意図が100%受け取れる訳じゃない・第三者の介在が全くない作品なんてないんだから許容しろよ!と自分にも思う!!!!
もうこれは私の中の面倒くさいルールでしかないです。
だから好きな作品はなるべく原作まで手を出してちまちま読んでいる。『千個の青』も原作を買わないといけない。

良い翻訳の定義というのもよくわからない。
読みやすい物が良いという時もあれば、原作の意図を汲んでいるのが良い時もあるし。
ぼちぼちいこか 』という絵本は、関西弁で意訳されていて日本でヒットしたしそれを汲んだ翻訳が別の国で出版されたらしいんだけど、原作自体は『What Can a Hippopotamus be?』で全然方言とかも入ってなくて枠組みは間違ってないけど意訳に意訳を重ねられており売上的にもそこまでヒットしていない。
みたいな話を聞くと翻訳行為って何!?ってなる。(ソースが出てこないから別の国で翻訳されたというのは嘘かも

#hon
千個の青 』読了!

Twitterで知らない人がお勧めしているのを見て買った記憶。
少し不思議くらいのSF世界で人間関係と言葉でやり取りすることと貴方に理解してほしいと思うことをやってくれるお話。

以下感想

読めて良かったし、電子書籍で買っていたけど手元に置いておきたくて紙で買いなおした。
あなたと私は理解し合えないけれど、それでも人間は言葉を介さないとあなたの気持ちを想像することができない/しすぎてしまうから、例え傷ついてもあなたのことを理解したいし理解してほしいと思う。それでも言葉にしなくても伝わることもある。
そういうのを淡々とした言葉で静かにずっと語ってくれるので私はとても好き。

■翻訳について
私は翻訳本があんまり得意ではない(読みやすいと感じられる翻訳本をあんまり読んだことがない)んだけど、今作はなんか読みやすかった。
二人称の距離感が揺れているか?と思うところは合ったけど、基本的には遠くの距離から揺れている感じなのでそこまで気にしなくてよかったかも。
マーダーボット・ダイアリー 』も問題なかったんだけど、それはロボットが淡々としゃべる感じと翻訳文の冷たい感じが合っているように感じるからなのかな~とおもったんだけど、本作もそれが適用されている気がする。滅茶苦茶主観的だ……。
あと個人的に韓国語の翻訳本はそこまで読みにくさを感じない傾向にあるんだけど、ただの思い込みなのか相性なのかどうなんだろう。

■語り
コリーの語りが良い。
マーダーボット・ダイアリー 』の時にも感じたけど、自分は人間とは異なる(人間感情に憧れない)ロボットの語りがとても心地いい。
コリーは自分の語りで衝動の話をするけど、徹底して感情はないと言うし、それでも感情のようなものを感じると語るという塩梅が好き。感情に名前を与えないがそこに感情の動きを認めるという距離感私好みだ~。
あと作中で何度も何度も感情は完全に言葉にすることはできないし、本人でさえ完全に把握することが出来ないということを言ってくれるのが良かった。私が好きな価値観だからね!
ロボットだからコリーの気持ちは分からないよね、それでも彼を人間のように扱うことは両立できるしそれをコリーは嬉しく思うという話をやってくれつつ、トゥディの一人称は絶対に取らない構成とても好きだ。
ロボットでない人間同士だって気持ちはわからないよというのも勿論ベースにある……。
コリーが喜んでいると証明できるものはなにもないが、ヨンジェはコリーの言葉を信じた。コリーは、自分を生きていると表現してくれたことを心から喜んでいるようだった。チョン ソンラン. 千個の青 (p.263). 早川書房. Kindle 版.
あんまり本の好きな台詞とかをメモしたりしないんだけど、この本には線を何回か引いている。
また読み直して感想追記したいな。

感想

#hon
七回死んだ男 』読了!
特殊設定ミステリが読みたくて買っていたのを最近引っ張り出した。

以下ネタバレ感想

総括としては滅茶苦茶面白かったです!私は特殊設定ミステリが大好き!

同じ設定を何度もやり直すことで登場人物のいろいろな可能性を見るというのも好きだし、なぜ毎回同じことが起きるのか?というのも好き。
ループごとに新しい情報が手に入ったり毎回同じ部分を知ることで重要な情報が何かを知れる構造が好き。世界における対称実験ができるところ。
それをしやすい媒体がマルチエンドノベルゲームだと思っているから、私はゲームを作っているんだけど、小説でも出来るんだ!と思ってそこがまず大好き。
加えて、主人公の誤認トリックを挟んでくるのが憎い。情報をたくさん知っている人間が、それゆえに情報を取り落とした誤認トリック!
カッコいい―!
トリックは全然わからなかったんだけど、読んでいる時に違和感のある部分が根拠になっていて滅茶苦茶良かった。
友理さんもループしてるのかな~と思っていたけど、全然違ったね。
特殊設定ミステリはそもそも犯人が誰か?だけでなくてその特殊設定は正しいのか?とかその設定で何ができるのか?というフーダニットやワイダニットだけじゃない推理が主になる点で楽しく読めるよな。
一応特殊設定は何個か読んだけど、その中でも一番楽しく読めました。

倫理観的なヤバさはあったけど、それらが全部老人の暴走で片づけられる腕力すごいと思う。
文体も砕けているおかげか、そういうノリでもまぁ飲み込めるので空気づくりって大事だ……。

感想

#eiga
サウンド・オブ・ミュージック 』見た!
友人が面白いと言っていたので配信で見た。
タイトルだけ聞いたことあったけど内容全然知らなかった。

以下ネタバレ感想

総括としては音楽も好きだし、社会風刺も込めつつすっきりした終わりだったのでとても良かった。

■人間関係
登場人物が理性的でいい人達が多くて良かった。
それでいて全面的にいい人という訳では全然ないのが好き。
例えば娘の彼氏だった人の変貌とかまでやっているところや父親の元婚約者が「あなたのことは好きだけど一緒に居るのは難しい」と言葉で伝えて去るところとか。まぁ婚約者周りに関しては感情だけでなく経済的な戦略の話も入って来るので一概に言えないんだけど、でもそこにちゃんと感情と経済の話を挟んで複雑にしてくるところも良いよな。娘の恋人だって、むやみに悪役にしているわけではなくあの環境のせいでと言う風に受け取れる余白だってあるから、全体的に登場人物に対する視線が優しいと感じました。
子どもたちだって、親の気を引くために家庭教師虐めたりするしな……。
でもどのキャラクターも過剰に厭らしく描かれる部分が少なくて、素朴に受け取れるから良かった。
なんか昔の作品ってわかりやすいけどこてこての消費用エンタメ設定そんなに盛ってこないから素直に受け取れるんだよな。(私はこてこての消費用エンタメ設定は好きなんだけど、それと人情物は食い合わせが悪くなる時がある)
それか実際はそういうのがあるけど、時代の違いのせいで私がそのテンプレを知らずにただそのキャラとして受け取っちゃってるだけかもしれない。
まぁなんにせよ、私は受け取りやすくていい人たちだなと思いました。

■歌について
歌自体がちゃんと物語として必要な構造になっているので見やすかった。
感情を表現するだけではなく、子どもに実際に歌を教えているとか人前で発表するとかの建付けがあるので、突然歌い始めた!?みたいな奴がそんなに多くなかったような?
2022年の『ウエスト・サイド・ストーリー』がそんなに刺さらなかったので、これも難しいかと思っていたけど楽しく聞けた。歌からシナリオへの接続や建付けの仕方がこっちの方が私好みだったのかな~。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は映画館で、『サウンド・オブ・ミュージック』は配信なので、前者は飽きても画面を見ないと行けず、後者は歌部分興味なくなったら作業すればいいので私の飽きの感情を直視しなくて済んだからという側面も十分にありそうだけどな。
私は配信映画は集中して見れない……。申し訳ない……。
それはそれとして作中の雷を聞きながらみんなで好きなものを数え上げる歌が滅茶苦茶好きでちょっと泣いちゃった。
私は好きな物をいっぱいいっぱい教えてくれる言葉が~大好き!作中にもっとそういう描写増やそうと思いました!

■シナリオについて
途中まで家庭教師と家族の交流の話かと思っていたら、途中からナチスドイツの話が表面にゴリゴリ出てきたからびっくりした。
音楽の力と戦争や差別の話はセットになるのをよく見るけど、サウンドオブミュージックもそういう話だったんだ……、私は無知。
でも音楽のおかげで悪役は改心して、家族は逃げ延びました!という話では全然ないところが好きだったよ。

感想

#eiga
エゴイスト 』見た!
恋愛映画見よう年間なのと、鈴木亮平さんのインタビュー がTwitterで流れていたので見た。
あとこのレビュー が面白そうだった。

以下ネタバレ感想

総括としては、鈴木亮平さんの演技とカメラの切り取り方の温度感が日常と地続きの映画で良かった。

■空気感
序盤の飲み会のシーンの時点で頭がちゃんと映画内世界に接続されたのですごい。
あんまり演技とかの観点で作品を見ることがないんだけど、あまりにも空気感が統一されていて入り込みやすかった。
私は飲み会とか好きじゃないからああいう雰囲気や空気になるのかはよくわからないけど、みんなが地に足着けて喋っている!と感じられた。すごい。
途中の熱唱シーンとか、多分ほかの映画で入っていたら私にとっては一回集中力切れるタイプの差し込みなはずなのにちゃんと画面見続けているのどうしてか未だに自分でも理解できていない。
直接言及はしないけど露骨な財政状況の差を出してくるところも容赦なくて好き。
龍太郎君の雰囲気に関してはあまりにも可愛かったので、ミステリーを見過ぎ人間は「これ絶対騙されてる奴だよ……」って思い続けていました。私の物の見方が悲しいだけです。
セックスのシーンもタチネコの入れ替わりが描写されたりイチャイチャしているシーンをハンドカメラっぽくずっと映して来たところがとても好きだな。
そういう濡れ場のシーンがただの恋の成就の舞台装置的演出ではなく、彼らの生活の延長として受け取れるのが好きだった。
ずっと世界が地続きだったな。素敵な作品だ。
主人公と龍太郎の母親の会話がとても好き。
「愛は何かわかりません」「あなたは分からなくていいの。受け取った私たちが愛だと思えたなら」(うろ覚え)
アラビアンナイト』で愛っていったい……?と思っていたところに滅茶苦茶好きな定義づけが来たので唇噛みしめちゃった。
愛、相互であることは素晴らしいが、それはそれとして受け取り手が愛だと思ってくれないと愛であることは難しいと思うし、関係のない第三者が二人の間の感情の何が愛と呼ぶかみたいな話をするのって難しいよな~と思っている節があるので、この定義が大変私は好き。
まぁこれ定義と言うより愛を渡す人受け取る人がそれぞれ定義を決められて、それは他人によって上書かれたり奪われたりされる物ではないよという宣言でしかないんだけど。
主人公の行動はエゴなのかもしれないけど(作中でも主人公はこれを何度も「これは僕のわがままなので」と言う)、それは受け取り手によっていかようにも形を変えるし、それでいいんだよな。

■お話について
物語としてのエンタメ的な起伏は少なめ。
でもこれはあくまで日常と地続きの物語だと私は受け取ったのでそれでいいし、龍太郎の死を過剰にエンタメとして演出されると自伝的小説が原作というのも踏まえてかなりえぐみが出てしまうのでこうで良かったと思う。
あくまで主人公の視点に寄り添って、たまに龍太郎の背景も交えながら主人公の人間関係を覗くという形。
会話の中で「結婚ができないから婚姻届けを書いて飾る人の話」や「日本の制度のせいで龍太郎と婚姻届けを出せないため戸籍上家族と担保できない」→「龍太郎とその家族への援助に歪な文脈を持たせる視線が発生する」「自分は家族だと自信をもって言えない」や「親に自分の恋人として紹介するのにうしろめたさを感じさせられる/認められても謝罪をしないといけないと感じる」や「男は女と付き合って結婚して子どもを産むという常識や感覚があるので、会話のスタートが『彼女はいる?』となる」という日本の現状があってずっと嫌だ~~~~~~となっていた。
未だに婚姻制度程度で何をもめているのか理解ができないなぁ!
経済格差によって取れる選択肢が狭くなり、そのせいで余計格差は広がるという話もあって、主人公が経済的に力を持っているから何とかなっていた側面もあったよな~。
主人公もちゃんと経済的に無理をしているという描写もあったけど、それでもあの大きさのマンションに住めて毎月10万近く工面してもその生活を手放さなくて済む程度の経済力だもんな……。
社会とは……。生活とは……。
何にせよとてもいい映画でした。

感想

#eiga
アラビアンナイト 三千年の願い 』見た!
物語と願いの話っぽかったので見た。

以下ネタバレ感想

総括としては前半部分の人間は物語ることで世界を認知できる・願いや欲望はその人の本質を表しそれはまた愛にもなるという要所要所はなんとなく受け取れたけど、全体像が今の状態だといまいちわかりかねている……。

■物語る構造
実際の歴史や神話と異なる物語をジンが語り、それを受けとった主人公は物語そのものであるジンを愛するという、物語を愛すること物語によって救われることを肯定する映画として受け取ったんだけど、ちゃんとしたライン取りができていない!未だに自分の感想がわからなさ過ぎてニヤニヤしながら書いている!
物語によって救われてきた人間は、科学の発達によって自分の心を助ける物語から離れているように見えているが、実際は科学の中にも物語を見出しているし、また物語だって科学によって構成されている側面もあるという部分もなんとなく……。
あと主人公が眼鏡を掛けるのが世界の細部を拾うこと(理性で世の中を捕らえること)で外すことが世界をぼんやりと受け取ること(感情で世界を受け取ること)というギミックがあり、だから最後に彼女に眼鏡が増えるということをやっているっぽい?
加えて自分で自分を物語る・それを受け取ることで初めて自分の感情を知ることが出来るという話もやっているような気がするるる。
なんか上記のようなパッチワーク的な受け取り方をして全体像がわかっていない。
これは映画として分かりにくいから悪いという話や評価ではなく、私が自分の感想がわからないだけです。
これ一週間くらいおいて考えないとよくわかんない気がする。

なんでここまで分かりかねているのかを考えているけど、この映画では物語を受け取るということと愛することを並列して語っているんだけど、私は愛という単語が出てくると、自分の中の採択できる文脈が多すぎるためそのうちのどれを取ればいいのかわかんなくなって、作中でかなり明確に愛の定義をやってくれないと思考が鈍るからなんだよな。
この映画の主軸、愛な上に「愛とは理性によって制御できない物」(理性を取り除いたロジックで受け取れない物である!)というのは定義されてしまったので、私はそれをされるとどう考えればいいのかわからなくなる。
「愛とは与えるものであり、求めるものではない」
いやかなり明確に定義されている気がするんだけど……。
そもそも愛をロジックで語ろうとすることが誤りと言われたらそうなんですけど。でも一回物語として再構成されているのに!?!?!??!
ううう愛っていったいなんなんだ……。
後日なんか思いついたら感想②が追加されるかもしれない。

感想

#hon
『僕は令和で棋士になる 江戸前期に夭折した少年棋士が令和へタイムスリップ』 読了!

将棋題材小説シリーズ。
Amazonのアンリミデッドに入っていたので読みました。
将棋ものでラノベみたいな長いタイトルなの初めてみたかも。

以下ネタバレ感想

令和で棋士にならないんかいッッッ!!!!
総括としては江戸と現代の差を出しているので棋譜を並べるのは楽しかったです。SF要素は棋譜のためのギミックだったので期待するには肩透かしという感じ。

■棋譜について
最初に出てくるのが雁木でテンション上がっちゃった。
江戸時代からある+当時と型が少し違う+ちょっと前に流行ったので採用されていることに違和感が少ないというので雁木だったんだろうな~。
私は5三銀型しか指さないので、むしろ印達さんの気持ちに近かったけども。
ほとんどの対局が全部書いてあったので、並べるのが楽しい。
マイナビの方で買うと棋譜データ貰えるらしい。
本編では棋譜解説とほぼ同じ書き方なので、これ将棋知らん人からするとショートカットするページになるんだろうな~と思いました。
あと私は該当ページの棋譜を読み切ってから並べるので、毎回ざっと流し読んだら印達の勝ちがさらっと確定して笑いました。
特に最後の決勝戦くらいは、最終手5手前くらいまで図式で描いて、最後の5手は文章で書いた方がお互いにテンションぶちあがらないか!?
棋譜途中図まで全部描いてからその後に解説が付く形式だと、感想戦と似た感じになって印達に同調して読めないんだよ~。
そういう描き方に関しては漫画の方に部があるのかな~。でも絶対小説でもできるよな~。

■将棋じゃない部分
SF部分の解説フェーズいる!?!??!?!いや現代に来るきっかけの部分だからいるんだけど、それにしては長いし軽い。
なんの根拠もないSF小説好きたちが好き勝手言ったのを、何の根拠もなくこっちがいい!で採択していくので、「まぁじゃあもうそれでいいんじゃない……」となった。
本当かどうかはわからないけど、それの方があなたのことを忘れなくて済むのだからそうであってくれと願う様と恋愛を絡めている部分なのかもしれない。私はそういう機微がわからない。
途中の入院時のSF解説フェーズのタッチが軽いので、真面目に読む必要があるのかないのかわからず、結局何がきっかけて戻ったのかもわかっていないので本当にいる!?!?!?
なんとなく後味としてはバタフライエフェクトの最後みたいにしたかったんだろうなとは思う。
SF部分も恋愛部分も人間関係部分もかるいタッチで進んでいくので、人によっては読みやすいといえば読みやすいと思うが、私は情報量が少なくて読み応えがないと受け取っちゃったな。
コロナの話を絡めてくるのかと思ったらそうでもないし。これは年代を合わせて没入感高めるためなのかな。
結核の話をすることで、今も昔も病気の危機は同じようにあるけれど、将棋のように医療も進歩しているよ!という話なのか?わからない。
色んな将棋じゃないフックを作ろうとしたのかと思うけど、フックにしては私は邪魔だなと思ったので私向けではなかった。
かといって将棋知らない人が読むには棋譜部分が多すぎるので、なんかもうどっちかに振り切ればよかったのではとは思う。

そんな感じなので将棋が好きな人は棋譜部分はオススメするけど、シナリオ部分では将棋好きにもそうじゃない人にもおすすめはしないくらいだった。

感想

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