不理解理解

文末にはすべて必ず(※個人の考えです)が付きます

No.51

#hon
ヴァン・ショーをあなたに 』読了!
『タルト・タタンの夢』の続き。
以下ネタバレ感想

総括としては、不誠実がテーマなのかわからないが全体的にえぐみのある話が割と軽いエンタメとして提示され続ける+フォローがあまりされないのであんまり私向けではなかったです。

料理描写は前作はおいしそうだったけど、今回は基本その料理や受け手に不誠実さがあったりするのであんまり刺さらず。
ちゃんと美味しそうな料理描写は表題の『ヴァン・ショーをあなたに』くらい?
別にスッキリしない話が嫌いなわけじゃないけど、それをちゃんとスッキリしない話です!と提示してもらわないとどう受け取ればいいのかわかりかねる。

一発目に『錆びないスキレット』猫が事故で死ぬ+それを家族に言わない+原因をそのままにする話を軽く釘刺しで入れられてウギー――からスタート!
ついでに野良猫にエサをやってはなったままの三舟さんに釘は刺されるが、その後の斡旋先がこのざまなのでなんかもう嫌ッ!
逆セーブザキャット!
『憂さばらしのピストゥ』は明らかな悪役が出てくるけど、そもそも語り手が割とその人と感性が近い語りをするくせにそれに釘を刺さないのが滅茶苦茶気になる。もともとこの語り手、女性男性をひとくくりにして語って来ることが多いので割と苦手なんだけど、悪役と一緒の言動をしたらさすがにフォローを入れてほしい。
『ブーランジュリーのメロンパン』はむやみやたらに他パンを下げる人が出てくるし『マドモワゼル・ブイヤベースにご用心』は作中でもろ不誠実という単語が出てくるのでそのまんまだし、『氷姫』は語り手の男も氷姫もやってること滅茶苦茶だしそれを愛で丸め込んで提示してきたっぽいのが不誠実じゃねぇか!と思うし『天空の泉』もなんか愛で丸めて出してくるし『ヴァン・ショーをあなたに』はワインを植物に掛けるな!
みたいな本筋じゃないけど中途半端に本筋に掠る部分が気になるというのが全作品にあり、読むの辛かったな。
こじつけじゃねぇかみたいな奴もあるんだけど、こうも連続で嫌な感じの話で構成されるとそういう視線になるんだよ!
それも全部愛と表現するには自分本位すぎない!?って奴が多くてあんまり好きじゃない奴だし!
それが人間っぽさだよね~というには愛でまとめる力業を見せてくるから、もう人間だね~でまとめてくれた方がまだよかった。
短い話だからこそ、えぐみが浮いちゃって気になって流れるというのを続けてしまった感じがある。
多分それぞれの話がもっと分散していたらそんなに気にならないか、多方面で見せる構成なんだな~ってなるんだけど、一冊全部不誠実料理か不誠実受け手の話にされると辛い!
まぁこの本についてはネガポジのバランスが合わなかったな~という読後感でした。
あと1冊残っているんだけどどうなるんだ!
ここまで

感想

Powered by てがろぐ Ver 4.5.0.