不理解理解

文末にはすべて必ず(※個人の考えです)が付きます

No.145

#eiga
ノック 終末の訪問者 』見た。
映画の宣伝で見て面白そうだったのと、オチがどうなるのか知りたかったから見た。
以下ネタバレ感想。

総括としては「世界と大切な人の命どっちが大事ですか?」の思考実験的問題提起の、問題提起部分を信じさせるフェーズに滅茶苦茶時間を割いてくる映画だったので、最後まで見てもそうだね……となって終わった。
後味の悪さにも振り切らないミストだ~。どっちかというと切ないエンドなんだろうか。
訪問者たちの話を信じるか信じないかは決断する人たちの心持にしか影響はせず、最後に世界が救われるか救われないかは本当に監督の匙加減だからあんまりしっくりこなかったです。
あとバシバシの津波描写があるので注意書きは入れろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これは日本の広報にいっています。

世界規模のトロッコ問題を提示してきた人間がいたとして、そもそもトロッコで大事な人が轢殺される状態が本当かどうか質問された人間はすぐに信じられないよね!?からスタートする話。
提示されたのがあなたの常識からかけ離れたものであればテレビの外部情報や目の前で人が死ぬ様を見ても、それを信じようと思わなければどこまでも疑ってしまって選択をすることもできないよね~!決断する際のあなたの判断材料ってなんなんだと思う⁉で話を回している。
現在の陰謀論に対する姿勢で、あなたがそれを信じないのはあなたが信じたくない物だからですか?ちゃんと冷静に判断していますか?という疑問提起もあるのかな。
それにしては4人の襲撃者はもうちょっとこちらが信じられるような下準備をしてほしい!みんなテレビしか証拠くれないのでテレビを疑うと全部疑うことになっちゃうから弁護士の方の主人公の気持ちめちゃ分かるよ……。
もし私が同じ状況で、パートナーが「あの4人は黙示録の四騎士を表していたんだ!」とか言い始めたら普通にキレるもんな……。外に人影が見えただったらまだ了解するけど、考察厨を始められたらそれはもうお前の見たいものを見たいだけだよ。というか神が人間程度が作ったテキストに則った4人を派遣をしてくるの、ダサすぎて嫌だろーが……!これは神はちゃんと人間の埒外にいろという一人類の面倒くさい奴。
あとビジョンとかの内輪用専門用語を使うのもよしてください。

弁護士の方の主人公はちょっとでも疑える箇所があるとそれを理由に全否定する。もともと男性のカップルだというのをフックにしてヘイトを向けられた経験もあって、4人の警告者のことを全否定する。
逆にもう一人の主人公は脳震盪もあってか4人の警告者と似たビジョンのようなものを見た結果ふわっとそれを信じる。多分選択から逃げていた生い立ちから選択をすることを目的にして世界の滅亡を信じるという流れを追っているのか?わからない。
なんか極限状態に居る人間が信じるものを選ぶ基準が揺れ動くさまを描く映画であって、選択をするからどうとかいう映画としての結論は特にないっぽいんだよな。
しいて言うなら選択をするということは、選択をするということなんだぜ!ということだと思う。わからん。
だからエンドロール後にノックする音入れることで「見ている皆さんはどんな選択をしますか!?!?!?」がこの映画の投げかけて来た事なんだと思う~。受けとった結果「私は○○を選ぶ予定だけど、それはこの映画を見た結果とはあんま関係ないよ!」なのでこう……映画から得たものではない!!
受け取ったのはそれについて考える機会なんだけど、個人的にはそういう問題提起してきたなら映画なりの解答例とそれによって描きたかったものの提示をしてほしいな~と思う。個人の趣味。
まぁ問題提起ものは嫌いではないので私向けではないというほどでもない。

途中までこれ創造主(神)の気まぐれから選択を強いられているゲームキャラクターを題材にしたメタ作品なのか?と思ったけどそういうことでもなかった。
それはそれとして作中で「神」の存在に言及することでデウスエクスマキナを良しとしているのズルなのか発明なのか!?

ただ映画見る前だと4人の襲撃者が並んでいるように見えていたポスターが、視聴後だと何かしらの使命感と覚悟を持ってそこに来た人々(勇者ではない)に見えるようになっているのはとても好き。
ここまで

感想

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