不理解理解

文末にはすべて必ず(※個人の考えです)が付きます

2023年3月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

ChatGPTを使うと翻訳のいろんな用例とか言い換えが解説付きで見れるの滅茶苦茶良いな~!

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これは由里タイガ君のぶち切れ台詞「今すぐにこの人を連れて、ここから出てけよ!」の翻訳パターン。
熟語もスラングも詳しくないのでこういうのいっぱい出してくれると、調べるときのとっかかりになるからハッピー!
ChatGPTさんはそこまで情報源明解じゃないというか、特徴点抽出みたいな情報の出し方するから情報源として信頼はしていないんだけど例を出してもらったりするのには大変良いね~。

こっちは荒々しさにかなり振った方の翻訳例。
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こっちは台詞ごとのシチュエーション全然違いそうで面白いね。

思い出したんだけど『おおきな木』という絵本は本田錦一郎と村上春樹の翻訳があって、それぞれ最後の1文の翻訳がかなり違う。
1人の少年にじぶんのものすべてを捧げ続けて最後切り株になった木への語り。
本田翻訳は「きは それで うれしかった・・・ だけど それは ほんとかな」
春樹翻訳は「それで木はしあわせに…なんてなれませんよね。」

本田訳は投げ掛け・疑問提起で春樹訳は断定。
私は最初に触れたのや、愛という行為の余白を認める姿勢もあって本田翻訳が好きなんだけど、原作は「And the tree was happy... but notreally」でどっちかというと春樹翻訳者の方が近いんだよね~。
最後の1文かつ本文での木の行為の総まとめなので、この1文で解釈が全然変わると私は思うから、こういうのを見るとやっぱり翻訳者の解釈が滅茶苦茶介在するぜ~と思う。
そういう解釈の振れ幅を楽しむのが好き。

『ヒトラーのための虐殺会議』の事前予習spotify 聞いた!

歴史が苦手なので今までこういうの聞いたことなかったけど、時系列や時代背景と合わせて解説してくれるので聞いていて楽しいね。
前に行った「エゴン・シーレ展」で、同じ年にシーレとヒトラーが同じ美術大学受験していたことに言及されていたのも思い出した。
どっちでもヒトラーの絵を扱き下ろされているね……。
映画にはヒトラーは出てこないので直接的に関係する話ではないけれど、ヒトラーがそこにのし上がれるような社会的背景を押さえられる構成。
暗い話なのでそれを重すぎる話にしないように気を使って話してくださっている感じもあったね~。
絵を描いたりコード移植するだけの作業だと並行して聞けるから、またほかのも見てみよ~。

感想

『ヒトラーのための虐殺会議』と『金の国 水の国』を梯子したんだけど、ポケットモンスター 嫌な政治/いい政治すぎて温度差がすごい。

#eiga
金の国 水の国 』見た!
面白そうだったのとそろそろ放映終わりそうだったから見た。
漫画未読。

以下ネタバレ感想。
総括するといい人たちによる勇気と理知と優しさがベースにあるけど、ちゃんとそれだけではない政治の話として綺麗にまとまっていてよかった。

登場人物全員いい人~!
勧善懲悪の役割を担わされるんだろうなと思っていたピリパッパでさえ最後まで宮殿に残るから、最後まで人間の優しさに掛けてくれる話なんだなと思った。
ただ100優しい訳ではなく、政治のために家族を人質にしたり、二人を殺そうとしたり、相手国を下に見て戦争の引き金になる行動をしたり、人のことを試すようなことをしたり、本人の目の前でバリバリ差別発言したりで人間の嫌な部分もちゃんと書いているのでその塩梅が好きです。
そういうことをするのは許されないしそれでも人間はそういうことするけれど、その行為のベースには誰かを思う気持ちだってあるんだよ!という眼差しがあるのかなぁ。いやそういう気持ちがあっても全然許されることではないが。
なんか最後まで誰も突き放さない姿勢があったのかな。なんだろうね。
どっちかというと人間の嫌な部分やえぐみを強調すること自体を作品のフックにしていないという方が正しいかも?作品として表現したいのは善性であるという姿勢があるのかなぁ。
あと何かを救うために何かを選ぶ時、提示された二択のどちらかではなく両方を取るをやってくれるのが大好きなんだけど、
よく見る「私が両方を諦めたくない!」ではなくて、「選ばれなかった人が生まれるのが嫌」で両方選ぶという描き方がまた前述の眼差しと重なって良いなぁと思う。
国ごとによって文化や経済状況、価値観が違うよというのを3国以上出して話してくれるのも良い。
原作読みたいね~。
ここまで

感想

#eiga
ヒトラーのための虐殺会議 』見た!
確かTwitterで誰かが予告について言及していた記憶。

以下ネタバレ感想

総括すると嫌な『12人の怒れる男』/『ハイパーインフレーション』だし、全然自分の身に起こりうるしなんなら起こっている部分もあるしで、観ていて嫌な気持ちになる良い映画でした。

ユダヤ人虐殺の方法を頭のいい人たちがお互いに探り合いをしながら淡々と進めていく会議を見る映画なので、現代倫理から行くと受け付けないことが当然のこととして進んでいく居心地の悪さをちゃんとかんじさせてくれるちゃんとした映画でした。
大体同じ部屋での会議でBGMなし・回想なしなのは『12人の怒れる男』を思い出して楽しくなるね。
それはそれとして難しい用語や登場人物が多いせいで、知らない中規模プロジェクトの5回目くらいの会議に突っ込まれたくらいの気持ちではある。
勉強してからもう一回みたいな。公式でも勉強用のSpotifyの配信URL公開していたので手厚い……。

実際に行われていた会議の議事録を元に作成されている映画らしいのでモラルセンターがいないにも関わらず、言葉選びや演技が良くて全部嫌な気持ちになるのがすごい。
途中に「牧師の家なのでこういう行為に抵抗が……」っていう台詞でちょっと救われた気持ちになってからの消沈がすごい。いや議事録見てないから実際には逃れのための台詞だったのかもしれないけど、でも映画としては多分賺しからの突き落としだと私は解釈した。あぁぁ……。
どこかで議事録見れないのかな。探してみよう。

そしてこれは作品意図として完全にずれている感想だということは100承知なんですけど、登場人物軒並み頭がいいので会議のテンポが滅茶苦茶よいから聞いてて気持ち良い。
全員政治家気質なので、婉曲表現を使う・回答を濁す・揚げ足を取るのはもちろんあるんだけど会話をするとちゃんと会議が進行するので……本当にちゃんとしている……。全然ちゃんとしていないけど……。
戦略家・軍師タイプの頭のいい人間が好きなので、戦争物のこういう会議シーン好きなんだよな。頭の良さをこんなことに使うな。差別にも戦争にも反対です。
戦争は嫌いだけど戦争物のフィクション作品の登場人物が好きなので、こういうノンフィクション物を見る時にはしつこいくらいに自分の中で線引きをする必要があります。

流石にここまでではないけれど、こういう叩き込まれた・周りの人間も当然と思っている気付けていない・気付かないようにしている差別意識ってのは私も今も絶対にあるだろうから、こういう作品を見ると毎回二重三重に落ち込む。
定期的に見てわが身を振り返りましょうね……。
というかこの作品ドイツの作品なんだ……。本当にすごいな……。
ここまで

感想

『オズの魔法使い』のロボットは、
心がない冷血漢の側面があるので一人称「私」の敬語口調なのもわかるし、
心が欲しいという欲求と勤勉さから一人称「僕」の口語体なのも分かるし、
殺りく担当で斧振り回すバーサーカーだから一人称が「俺」で口調が粗野になるのも超わかる。
いろいろなロボット。かわいいね。

私が翻訳文ってかなり二次創作的だなって思った原因が、『オズの魔法使い』なんだよな。
『オズの魔法使い』が好きで翻訳者違いで本を集めるのが趣味なんだけど、特にロボットの口調が訳者によって全然違う。
一人称は「俺」「私」「僕」で揺れるし、口調も常体敬体が違うのはもちろん常体でも口語の砕け方が人によって全然違うから、そうなるとキャラクターの印象ってかなり訳者のイメージに引っ張られるなぁというのを感じた。

翻訳本だと読む行為が「作品を読む」をしないまま「翻訳者の解釈を受け取る」に強く引っ張られるので腰が重くなるんだよな。
だから原作の文章を私が読んだ上での『オズの魔法使い』の訳者違い本回収は「作品を読む」は終わった上で「翻訳文の解釈を受け取る」という手順が踏めているので趣味として滅茶苦茶好き。不思議な距離感だ……。

それはそれとして翻訳文の比喩表現が多い奴は読みにくいなと思うので、これは全く別問題の苦手意識。どうにかしたいね~。

#hon
チョコレート・アンダーグラウンド 』読了!
Twitterで名前が出ていたので読んだ。
もともと海外文学の話の流れで出てきていたけど、私も児童書に関しては翻訳されたものでも読んでいた気がする。
多分一文が短くて、比喩が少ないおかげだと思う。本作も読みやすかったです。
ロボット視点の翻訳文が読みやすいのも、比喩や婉曲表現が減って読みやすいからだな……。

以下ネタバレ感想

総括としては、ドキドキワクワク冒険活劇に見えて、滅茶苦茶ちゃんとしたディストピアと革命のお話だったので楽しかったです。

■装丁
装丁が滅茶苦茶可愛い~!表紙が肌色とチョコレート色の二色なのが可愛い。チョコレート銀紙から剥いてるみたい。
邦題の上に原題の『BOOTLEG』が入っているのも嬉しい嬉しい。私は邦題も原題も教えてくれる作品が好き。
遊び紙?みたいなところがでこぼこの紙使っているのも本文に対するワクワク感が高まって嬉しい~!

■シナリオ
チョコレート禁止令、圧制のしかたとそれに対する一般人の姿勢はそのまま現代にスライドできるので身につまされるぜ……。
「ほかの人に投票しなかったから、連中が勝ったの。『悪が栄えるためには、善人がなにもしないでいてくれればそれだけでいい』って言うじゃない。あなたは、まさになにもしなかったのよ」『チョコレート・アンダーグラウンド』P.15 l.3
現代じゃん!!!!!!!!!!!
冒険活劇とは言うが、革命のために大人がしっかりと介入しているし基本一番危ない役割は大人が担っているところが良かった。
加えて、登場する大人が全員いい奴という訳でも悪い奴という訳でもなく、面倒くさいからやらなかった・つい過去の栄光を求めてしまった・お金が手に入ったので調子に乗ってしまったっていうダメなところもそれを巻き返すために必死になるところも人間らしさ爆発していてとても良かったな~。
個人的に子どもより大人の描写の方が好きな気がする。これは私が社会的責任を持つ人間になったからだとは思うんですけど……。
キャラクターのその後の生活を見ても、勧善懲悪という訳ではなく最終的にみんなが良くなる方向に着地しているのも好き。
軽くて爽やかなシナリオ運び、どっかで感じたことあるな~って思っていたけど、『青空のむこう 』の作者さんだったんだね~。
作者あとがきも全力で遊んでいて、こういうのを読むとやはり私は児童書が大好きだな~という気持ちになる。
ここまで

感想

『リボーンの棋士』はプロ編入試験受験資格
『龍と苺』はリーグでプロと戦うため
『盤王』は賞金
って感じで同じ竜王戦でもどういうスタンスで挑むのか全然違って面白~い。

なんで突然将棋漫画読んでいるかというと、
①オモコロでリボーンの棋士が取り上げられていた
②そろそろ読むか……と思ってAmazonを開く
③将棋関連の書籍で後で買うに入れっぱなしになっていた奴が目に入る
④全部買うか……
の流れです。一応ちまちま集めてはいるんだけどね……。


別で紹介されている『根こそぎフランケン 』も私は好きなのでぜひ!
三枚目の絶対強者フランケンに出会って、へらへら昼行燈が闘争心を覚えて全力で強者に挑む最終戦がマジでかっこいい。
ついでにスピンオフで昼行燈のお兄ちゃんは女子高生の尻に敷かれ始める。Love?

#manga
リボーンの棋士 』読んだ。
なんで今まで読んでなかったんですか将棋漫画第2弾。
気付いたら5巻以上出ていて手を出すのをやめていました……。
たしかその時『将棋指す獣』とか『永世乙女の戦い方』とか将棋漫画が同時に出ていて手が回らなかったんだよな。

『リボーンの棋士』は好感をもてる将棋好きの主人公の底が見えない感じで話が進むのでキャラの扱いは盤王に近くて、
将棋の内容はシナリオの内容とはそこまで絡まないけどちゃんと棋譜が作られているのが分かって読んでいて楽しかったです。
自由・高見を目指す手・オールラウンダーで相手の得意戦法を受ける形なので羽生先生がベースにあるのかな~。
対局中の顔が赤くなる描写が滅茶苦茶好きなんだよな~。頭に血が上っているように見えてギラギラしている様。
私が好きな将棋指している人間っぽくて滅茶苦茶見ていて好きだ。土屋も良いキャラしているしな~……。
なんかこの二人はダイの大冒険のダイとホップみたいなW主人公形式を意識していそうで面白い。
関係ないけど望月が好き♡おかっぱぎょろめの性格の悪いプロ棋士♡

感想

最近一番良かった将棋の女見下し描写は『花四段といっしょ 』の12話の
今まで一度も人前で泣いたことがない奨励会員が朝顔さん(女性)に負けた時に泣きながら「すいません……男とか女とか関係なく……」って言ってるシーンです。
こ、この理性・社会的には女のことを見下すのは悪いというのは了解しているけど、感情的に見下しが沁みついているので泣いちゃう様!!!!
これ書けるのすごいよ。痺れちゃったぜ。

#manga
龍と苺 』10巻まで読んだ。
『響~小説家になる方法~』の作者さんの将棋漫画

長期将棋漫画だ!
なんで今まで読んでなかったかと言うと、序盤の女を馬鹿にする男の描写が直接的過ぎて避けていたからです!
カウンターするためなのは分かっているんだけど、マジでそういう言動する人は本当にいるのもあってストレスがね!
最近腰を上げたんですが、最後の方はもう苺さんが常人離れしているのであんまりそういう言及少なくなって良かった。
苺さんがどんな風に強いのかもわかって楽しい将棋漫画だ~。
あと性格が悪い奴が強いという理屈なので、登場人物軒並み性格悪くて良い。
11巻楽しみだね~。

感想

自分のことを特徴が少ない絵を描く人間だと思っているんだけど、ここから特徴を付与するならどうすればいいかな~と思う。
自分の絵のことは滅茶苦茶かわいいと思っているよ♡
やるとしたらアニメ塗り+蛍光色+境界線で遊ぶ色塗りをするとか、二値ペンでも線の太さで緩急出すとかかな~と思っている。
それか縁取りを無くして絵本風の塗りをするとか……。
拾う線をもっとシンプルにする場合は、キャラクターの頭身をもっと上げた方がいいんだろうな。
あとは構図にこだわるとか。乙女ゲームのスチルって構図が主人公主眼になるのでそこまで凝った物を見たことがないから面白そうではある。
色のセンスがないので、絵柄傾向的にホビアニの色塗りでも参考にしてみようかな~。

2023年2月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

前々から食べたかったナナイモバーというカナダのお菓子を食べました。
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ずっと探していたので食べられて嬉しい!
チョコレートガナッシュと、カスタードクリームと、ココナッツが混ざったクッキー生地を重ねたお菓子。
甘くて大変美味しい!ねっとりしたベースにココナッツの触感が加わって口の中が楽しいです。
コーヒーに大変合います。
届いたとき、10センチ×10センチ×5センチくらいのケーキが4等分されて届いたので「小さい!」と思っていたんですが、一口食べた時点で100満足するカロリーの塊だったので、このサイズが丁度いいしなんなら多いんだということが分かったぜ!
2個買ったんだけど食べきれるのか不安だ。

#eiga
スマホを落としただけなのに
韓国版が見たくて日本版をちゃんと見た。偉い。
以下ネタバレ感想

ちゃんとスマホを落としただけなのにだ―――!
総括としてはサスペンスとしてよくできていた楽しく見ることが出来ました。
作中でもちゃんとスマホがたびたび演出として登場するのでとても良かった。

スマホによって人間がつながりやすくなったから簡単に炎上するし、スマホでしか繋がっていないから簡単に人間関係が壊れたりするよ!というのをやっていて、スマホを使った内容に超絶真摯だった。ちゃんとした映画だ……。
スマホのパスワードもちゃんと簡単にわからないようになっている。これがネット犯罪だよ。そうだよ。
ホラーとしての演出も良いし、人間関係ホラーとしても良い。
主人公と刑事が家族関係がうまくいっていないという点で対比になっていたり、最後に主人公の友人からの連絡もスマホ経由だったりとか、すげーちゃんとした映画だ―――。
犯人が刑事の息子に成り代わっているところが、日本版のヒロインが別の人と入れ替わっているネタとたぶん掛かっているんだよな……。偉すぎ……。
サスペンス系の韓国映画が好きなので、これも良かったです。
ここまで

感想

カスのピタゴラスイッチって書いていてこれ思い出した。
Der Lauf der Dinge
これは汚いピタゴラスイッチ

#eiga
スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼 』見た!

韓国版を見るために見直した②
以下ネタバレ感想

総括としては1よりも倫理レベルが下がっていてカスがよ!と思いながら見ました。

児童虐待ネタで引っ張った上におとり捜査の際に着替えシーンを見る警察に暴力シーンをエロシーン的な扱いしてきたし虐待経験がある人間に親と仲直りしろをポジティブな文脈で出してきたりで倫理レベルがカス!
同性愛のことを若干イジリネタとして出した後にMにそういう属性を振って来たところも何!?
前作はまだエンタメ映画としてやってます!目をつぶってね!って感じだったけど、今回は話の本筋にがっつり絡むところでそれをやるから好きではない。

でも1から引き続き、話を二転三転させるための引きを何度も作っているところとかはエンタメ作品としては偉いし面白かったです。
犯人が白髪になっているところとか、羊たちの沈黙みたいに協力関係築いたり、犯人と刑事は表裏一体……っていう明智と二十面相みたいな文脈で色気を出してきたところとかはウケた。
スマホ、落としてねぇじゃねえかと思ったら最後のエピソードぶち込んできて、ここまでそのタイトルにこだわる必要があるんですか!
ここまで

感想

#eiga
スマホを落としただけなのに 』見た!

韓国版を見るために見直した。
以下ネタバレ感想

総括としてはお手本のようなB級邦画サスペンスなので、何も考えたくね~!と思ったときに見るのが丁度いいです。

スマホを落としただけじゃなくて、落とした先がカスのピタゴラスイッチだった映画。
殺人鬼の人や被害者の過剰な演技やごり押しの展開、山場を作るための謎の設定など何も考えなくていい作品で良いね~。
酒を飲みながらツッコミを入れつつ見るのが良い。
山場を作るための設定に児童虐待ネタを採用するところや女性の暴行シーンが長いのがカスだとは思うけど、サメ映画の被害者が大抵水着の女になるのと同じ文脈なんだろうな~。全然好きじゃないことだけは宣言しておくぜ!
メリーゴーランドの件もうぐちゃぐちゃで笑いながら見ていた。
ネットリテラシーが終わっている人々。
スマホを落とすって怖いね!ここまで

感想

翻訳本を読みにくいと感じるのとほかに、翻訳って原作の文章に対して翻訳者の解釈がかなり強く入っちゃうから腰が重くなるというのもあるんだよな~。
二次創作に近いと感じている。作者の目も通っていないものが多いし。
まぁ日本語でも原作をそのまま読んだからと言って、作者の意図が100%受け取れる訳じゃない・第三者の介在が全くない作品なんてないんだから許容しろよ!と自分にも思う!!!!
もうこれは私の中の面倒くさいルールでしかないです。
だから好きな作品はなるべく原作まで手を出してちまちま読んでいる。『千個の青』も原作を買わないといけない。

良い翻訳の定義というのもよくわからない。
読みやすい物が良いという時もあれば、原作の意図を汲んでいるのが良い時もあるし。
ぼちぼちいこか 』という絵本は、関西弁で意訳されていて日本でヒットしたしそれを汲んだ翻訳が別の国で出版されたらしいんだけど、原作自体は『What Can a Hippopotamus be?』で全然方言とかも入ってなくて枠組みは間違ってないけど意訳に意訳を重ねられており売上的にもそこまでヒットしていない。
みたいな話を聞くと翻訳行為って何!?ってなる。(ソースが出てこないから別の国で翻訳されたというのは嘘かも

#hon
千個の青 』読了!

Twitterで知らない人がお勧めしているのを見て買った記憶。
少し不思議くらいのSF世界で人間関係と言葉でやり取りすることと貴方に理解してほしいと思うことをやってくれるお話。

以下感想

読めて良かったし、電子書籍で買っていたけど手元に置いておきたくて紙で買いなおした。
あなたと私は理解し合えないけれど、それでも人間は言葉を介さないとあなたの気持ちを想像することができない/しすぎてしまうから、例え傷ついてもあなたのことを理解したいし理解してほしいと思う。それでも言葉にしなくても伝わることもある。
そういうのを淡々とした言葉で静かにずっと語ってくれるので私はとても好き。

■翻訳について
私は翻訳本があんまり得意ではない(読みやすいと感じられる翻訳本をあんまり読んだことがない)んだけど、今作はなんか読みやすかった。
二人称の距離感が揺れているか?と思うところは合ったけど、基本的には遠くの距離から揺れている感じなのでそこまで気にしなくてよかったかも。
マーダーボット・ダイアリー 』も問題なかったんだけど、それはロボットが淡々としゃべる感じと翻訳文の冷たい感じが合っているように感じるからなのかな~とおもったんだけど、本作もそれが適用されている気がする。滅茶苦茶主観的だ……。
あと個人的に韓国語の翻訳本はそこまで読みにくさを感じない傾向にあるんだけど、ただの思い込みなのか相性なのかどうなんだろう。

■語り
コリーの語りが良い。
マーダーボット・ダイアリー 』の時にも感じたけど、自分は人間とは異なる(人間感情に憧れない)ロボットの語りがとても心地いい。
コリーは自分の語りで衝動の話をするけど、徹底して感情はないと言うし、それでも感情のようなものを感じると語るという塩梅が好き。感情に名前を与えないがそこに感情の動きを認めるという距離感私好みだ~。
あと作中で何度も何度も感情は完全に言葉にすることはできないし、本人でさえ完全に把握することが出来ないということを言ってくれるのが良かった。私が好きな価値観だからね!
ロボットだからコリーの気持ちは分からないよね、それでも彼を人間のように扱うことは両立できるしそれをコリーは嬉しく思うという話をやってくれつつ、トゥディの一人称は絶対に取らない構成とても好きだ。
ロボットでない人間同士だって気持ちはわからないよというのも勿論ベースにある……。
コリーが喜んでいると証明できるものはなにもないが、ヨンジェはコリーの言葉を信じた。コリーは、自分を生きていると表現してくれたことを心から喜んでいるようだった。チョン ソンラン. 千個の青 (p.263). 早川書房. Kindle 版.
あんまり本の好きな台詞とかをメモしたりしないんだけど、この本には線を何回か引いている。
また読み直して感想追記したいな。

ここまで

感想

映画を倍速で見る文化について、問題視する人がいるのって面白いな~と思う。

これに怒る人がいる理由として、「そのように消費される予定ではない物を情報を取得するために想定外の消費の仕方をしているから」というのを見ました。
その際には、物語の想定されている「本当の楽しみ」があるという前提があって、倍速はそれに背く消費の仕方だからという論法なのかなと思います。
「本当の楽しみ」に向き合う際にどこまで「本当じゃない楽しみ方」を許容していいかというラインがそれぞれの人の中にあって、倍速映画が要求ラインを下回った人がそれに怒っているのかなと仮定してみます。
その際、私個人は「倍速映画」と「作業しながらアニメ・映画を見る」と「同時視聴」って想定されている消費方法じゃないライン全部同じくらいなんだけど、後者2つはそんなにやり玉に挙げられるのを見たことがないのも、ラインの違いなんだろうな~と思って面白い。
私自身は映画館で観たいし、配信もあんまり見ないのでラインとしては面倒くさい方なんだと思う。
私は映画よりも「ゲーム実況を見た」人が「そのゲーム好き!」ってプレイした人と同じ体で話しかけてきたら「そのゲームの実況を見るのが好き!」と言ってくれ……!と思っちゃうしな……。
そう考えると私は映画よりもゲームの方が要求ラインが厳しいらしい。たぶんゲームには「プレイヤーの体験が紐づくこと」が必須だと思っているからだな。
まぁ他人の物の消費の仕方に口を出す権利はないので、自分と他人は別の人間だということはちゃんと覚えておきたいね~。

なんでこんな映画や小説を搔っ込んでいるんだろうと思うけど、これ完全に現実逃避ですね!!!!!!!!!

#hon
七回死んだ男 』読了!
特殊設定ミステリが読みたくて買っていたのを最近引っ張り出した。

以下ネタバレ感想

総括としては滅茶苦茶面白かったです!私は特殊設定ミステリが大好き!

同じ設定を何度もやり直すことで登場人物のいろいろな可能性を見るというのも好きだし、なぜ毎回同じことが起きるのか?というのも好き。
ループごとに新しい情報が手に入ったり毎回同じ部分を知ることで重要な情報が何かを知れる構造が好き。世界における対称実験ができるところ。
それをしやすい媒体がマルチエンドノベルゲームだと思っているから、私はゲームを作っているんだけど、小説でも出来るんだ!と思ってそこがまず大好き。
加えて、主人公の誤認トリックを挟んでくるのが憎い。情報をたくさん知っている人間が、それゆえに情報を取り落とした誤認トリック!
カッコいい―!
トリックは全然わからなかったんだけど、読んでいる時に違和感のある部分が根拠になっていて滅茶苦茶良かった。
友理さんもループしてるのかな~と思っていたけど、全然違ったね。
特殊設定ミステリはそもそも犯人が誰か?だけでなくてその特殊設定は正しいのか?とかその設定で何ができるのか?というフーダニットやワイダニットだけじゃない推理が主になる点で楽しく読めるよな。
一応特殊設定は何個か読んだけど、その中でも一番楽しく読めました。

倫理観的なヤバさはあったけど、それらが全部老人の暴走で片づけられる腕力すごいと思う。
文体も砕けているおかげか、そういうノリでもまぁ飲み込めるので空気づくりって大事だ……。
ここまで

感想

#hon
マカロンはマカロン 』読了!
『タルト・タタンの夢』と『ヴァン・ショーをあなたに』の続き。
シリーズ物。

以下ネタバレ感想
総括としては、なんか全体的に視線や手つきが合わないな~という感じだった。

シリーズを通して女性の権利とか立場の非対称性について気にしているシナリオなのかな~とは思っていたのに今まで言及していなかったが、『マカロンはマカロン』でかなりしっかり描いていたから今回は言及します……。
そういう話をするにしては、語り手の主人公やバランサーの志村さん、探偵の三舟さんの言葉選びがちょくちょく気になる。「女性らしい感性」とか「女性実業家」とかわざわざ女性であることについて言及する必要はあるんだろうかとか。
『マカロンはマカロン』でも、本人がいない状態でその人のことをトランスジェンダーと類推してしゃべるのとかもアウティングじゃねーかと思うし。まぁ語り手の主人公が聞かないといけない+ページ数の関係なんだろうなと思う。
シナリオ全体がバイアスを指摘する話っぽいなのに、語り手や世界観の方の言葉選びのバイアスに自覚的かどうかが私にはわかりかねて、安心して読めなかった。
バイアスのない語りなどないが、性的嗜好とかジェンダー観とかについて語る話の中でそこに関するネガティブなバイアスを私が感じて合わなかった~……。
語り手の高築くん、そろそろ信頼できない語り手属性を作中で明示してくれないと辛いぜ!
あと前回からずっとそうなんだけど、作中の悪意を持った側の人が大抵その場にいないので、以降の展開が丸投げされるからスッキリしないことに加えて、毎回悪意の感じがすごい嫌なんだよな!
この語り手というか世界観、人間のこと嫌いか!?ってなる。
勧善懲悪にしろという訳ではないが、そういう有様に対してこの作品はどういうスタンスを取るのかというのが明示されていないからかもしれない。
とりあえず私向けの作品ではなかったな~と言う感じです。あと料理ものに関しては安心して読みたいという私の個人的な願いがあるのかもしれない。
今手元にあるシリーズ全部読み終わったので良かったです。
ここまで

感想

一旦映画の感想は終わった!
あと本2冊!

#eiga
サウンド・オブ・ミュージック 』見た!
友人が面白いと言っていたので配信で見た。
タイトルだけ聞いたことあったけど内容全然知らなかった。

以下ネタバレ感想

総括としては音楽も好きだし、社会風刺も込めつつすっきりした終わりだったのでとても良かった。

■人間関係
登場人物が理性的でいい人達が多くて良かった。
それでいて全面的にいい人という訳では全然ないのが好き。
例えば娘の彼氏だった人の変貌とかまでやっているところや父親の元婚約者が「あなたのことは好きだけど一緒に居るのは難しい」と言葉で伝えて去るところとか。まぁ婚約者周りに関しては感情だけでなく経済的な戦略の話も入って来るので一概に言えないんだけど、でもそこにちゃんと感情と経済の話を挟んで複雑にしてくるところも良いよな。娘の恋人だって、むやみに悪役にしているわけではなくあの環境のせいでと言う風に受け取れる余白だってあるから、全体的に登場人物に対する視線が優しいと感じました。
子どもたちだって、親の気を引くために家庭教師虐めたりするしな……。
でもどのキャラクターも過剰に厭らしく描かれる部分が少なくて、素朴に受け取れるから良かった。
なんか昔の作品ってわかりやすいけどこてこての消費用エンタメ設定そんなに盛ってこないから素直に受け取れるんだよな。(私はこてこての消費用エンタメ設定は好きなんだけど、それと人情物は食い合わせが悪くなる時がある)
それか実際はそういうのがあるけど、時代の違いのせいで私がそのテンプレを知らずにただそのキャラとして受け取っちゃってるだけかもしれない。
まぁなんにせよ、私は受け取りやすくていい人たちだなと思いました。

■歌について
歌自体がちゃんと物語として必要な構造になっているので見やすかった。
感情を表現するだけではなく、子どもに実際に歌を教えているとか人前で発表するとかの建付けがあるので、突然歌い始めた!?みたいな奴がそんなに多くなかったような?
2022年の『ウエスト・サイド・ストーリー』がそんなに刺さらなかったので、これも難しいかと思っていたけど楽しく聞けた。歌からシナリオへの接続や建付けの仕方がこっちの方が私好みだったのかな~。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は映画館で、『サウンド・オブ・ミュージック』は配信なので、前者は飽きても画面を見ないと行けず、後者は歌部分興味なくなったら作業すればいいので私の飽きの感情を直視しなくて済んだからという側面も十分にありそうだけどな。
私は配信映画は集中して見れない……。申し訳ない……。
それはそれとして作中の雷を聞きながらみんなで好きなものを数え上げる歌が滅茶苦茶好きでちょっと泣いちゃった。
私は好きな物をいっぱいいっぱい教えてくれる言葉が~大好き!作中にもっとそういう描写増やそうと思いました!

■シナリオについて
途中まで家庭教師と家族の交流の話かと思っていたら、途中からナチスドイツの話が表面にゴリゴリ出てきたからびっくりした。
音楽の力と戦争や差別の話はセットになるのをよく見るけど、サウンドオブミュージックもそういう話だったんだ……、私は無知。
でも音楽のおかげで悪役は改心して、家族は逃げ延びました!という話では全然ないところが好きだったよ。
ここまで

感想

にしても私は自分が恋愛ものの映画や物語が得意でないと思っていたんだけど、『エゴイスト』を見て私は本当はちゃんと恋愛描写が好きなんだよな~ということが分かって良かった。
私が苦手なの、かわい子ぶっている人や恋愛している人々を過剰な演出で「仲良しでしょ笑」とか「キラキラしてれば満足なんでしょ」みたいに提示してくる監督側の舐めを私が感じ取ることが多いため辛くなっているだけだな。
これは別に監督がそういう風に出して来た!って私が勝手に感じただけなので本当にそうかはわかんないです。ただの手癖かもしれないし。

可愛くあろうと過剰に振る舞っている人のこともバカップルのことも好きなんだからそりゃそうなんだよな~。
恋愛映画年間開いてよかった~。

#eiga
エゴイスト 』見た!
恋愛映画見よう年間なのと、鈴木亮平さんのインタビュー がTwitterで流れていたので見た。
あとこのレビュー が面白そうだった。

以下ネタバレ感想

総括としては、鈴木亮平さんの演技とカメラの切り取り方の温度感が日常と地続きの映画で良かった。

■空気感
序盤の飲み会のシーンの時点で頭がちゃんと映画内世界に接続されたのですごい。
あんまり演技とかの観点で作品を見ることがないんだけど、あまりにも空気感が統一されていて入り込みやすかった。
私は飲み会とか好きじゃないからああいう雰囲気や空気になるのかはよくわからないけど、みんなが地に足着けて喋っている!と感じられた。すごい。
途中の熱唱シーンとか、多分ほかの映画で入っていたら私にとっては一回集中力切れるタイプの差し込みなはずなのにちゃんと画面見続けているのどうしてか未だに自分でも理解できていない。
直接言及はしないけど露骨な財政状況の差を出してくるところも容赦なくて好き。
龍太郎君の雰囲気に関してはあまりにも可愛かったので、ミステリーを見過ぎ人間は「これ絶対騙されてる奴だよ……」って思い続けていました。私の物の見方が悲しいだけです。
セックスのシーンもタチネコの入れ替わりが描写されたりイチャイチャしているシーンをハンドカメラっぽくずっと映して来たところがとても好きだな。
そういう濡れ場のシーンがただの恋の成就の舞台装置的演出ではなく、彼らの生活の延長として受け取れるのが好きだった。
ずっと世界が地続きだったな。素敵な作品だ。
主人公と龍太郎の母親の会話がとても好き。
「愛は何かわかりません」「あなたは分からなくていいの。受け取った私たちが愛だと思えたなら」(うろ覚え)
アラビアンナイト』で愛っていったい……?と思っていたところに滅茶苦茶好きな定義づけが来たので唇噛みしめちゃった。
愛、相互であることは素晴らしいが、それはそれとして受け取り手が愛だと思ってくれないと愛であることは難しいと思うし、関係のない第三者が二人の間の感情の何が愛と呼ぶかみたいな話をするのって難しいよな~と思っている節があるので、この定義が大変私は好き。
まぁこれ定義と言うより愛を渡す人受け取る人がそれぞれ定義を決められて、それは他人によって上書かれたり奪われたりされる物ではないよという宣言でしかないんだけど。
主人公の行動はエゴなのかもしれないけど(作中でも主人公はこれを何度も「これは僕のわがままなので」と言う)、それは受け取り手によっていかようにも形を変えるし、それでいいんだよな。

■お話について
物語としてのエンタメ的な起伏は少なめ。
でもこれはあくまで日常と地続きの物語だと私は受け取ったのでそれでいいし、龍太郎の死を過剰にエンタメとして演出されると自伝的小説が原作というのも踏まえてかなりえぐみが出てしまうのでこうで良かったと思う。
あくまで主人公の視点に寄り添って、たまに龍太郎の背景も交えながら主人公の人間関係を覗くという形。
会話の中で「結婚ができないから婚姻届けを書いて飾る人の話」や「日本の制度のせいで龍太郎と婚姻届けを出せないため戸籍上家族と担保できない」→「龍太郎とその家族への援助に歪な文脈を持たせる視線が発生する」「自分は家族だと自信をもって言えない」や「親に自分の恋人として紹介するのにうしろめたさを感じさせられる/認められても謝罪をしないといけないと感じる」や「男は女と付き合って結婚して子どもを産むという常識や感覚があるので、会話のスタートが『彼女はいる?』となる」という日本の現状があってずっと嫌だ~~~~~~となっていた。
未だに婚姻制度程度で何をもめているのか理解ができないなぁ!
経済格差によって取れる選択肢が狭くなり、そのせいで余計格差は広がるという話もあって、主人公が経済的に力を持っているから何とかなっていた側面もあったよな~。
主人公もちゃんと経済的に無理をしているという描写もあったけど、それでもあの大きさのマンションに住めて毎月10万近く工面してもその生活を手放さなくて済む程度の経済力だもんな……。
社会とは……。生活とは……。
何にせよとてもいい映画でした。
ここまで

感想

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